1/2(土)放送:第10回 阿蘇立野病院のこれからについて

1979年に設立し、長らく阿蘇地域の中核医療機関を担ってきた「阿蘇立野病院」。2016年4月に発生した熊本地震により甚大な被害を受けましたが、2017年4月から段階的に再開。8月以降からは入院や一般外来、11月に人口透析を再開しています。そしてようやく2018年1月、1年8ヵ月ぶりに全館再開。同院のモットーでもある「ぬくもりと安心の医療」をお届けできるよう、スタッフが一丸となって業務に取り組んでいます。この番組では、阿蘇立野病院のさまざまな取り組みをご紹介します。

今回は、阿蘇立野病院のこれからについて、上村理事長にお話を伺います。

Q:早速ですが、阿蘇立野病院では、昨年も色々と新たな取り組みを始められましたよね。

上村晋一理事長:当院は昨年4月、 熊本県から「地域在宅医療サポートセンター」に指定されました。「地域の医療は地域で守る」。このことを実践するために、私たちは医療機関・介護・福祉施設とお互いの顔が見える関係を構築してきました。

また、当院では患者さんだけでなく、ご家族や地域の皆さんが交流できる場として、
ヨガ教室やコンサートなど、さまざまなイベントを院内で実施しています。
昨年11月からは、料理教室や「お花の日」のイベントも開催しています。

Q:入院患者さんを受け入れるための病床の数も、震災前に戻りつつあると伺っています。

上村晋一理事長:スタッフの体制が徐々に整ってきたことで、病床数は現在43床まで増床することができました(震災以前は88床)。今年は、50床近くまで増床できるように準備を進めていきます。

阿蘇立野病院では、熊本県と熊本県医師会が進める「くまもとメディカルネットワーク」の構築を推進しています。これは、県内の医療機関や、介護関連施設などをネットワークでつなぎ、医療や介護サービスに生かすシステムのことです。このシステムについて期待することを、理事長にお聞きしました。

上村晋一理事長:「くまもとメディカルネットワーク」を活用することによって、迅速で、質の高い医療サービスを提供できるようになります。当院では、南阿蘇地域の方への加入説明や、医療機関や福祉施設に対し、システムの導入・運用に向けた普及活動を行っているところです。

2020年度中には、病院前の道路や、阿蘇大橋が完成予定です。ようやく南阿蘇地域の交通アクセスが地震以前の状態に戻ることになりますので、当院も、地域の皆さんとともに、さらなる進化を目指していきたいと思います。

【インフォメーション】
阿蘇立野病院では一緒に働く仲間を募集しています。
詳しくはHP をごらんください。
<募集職種>看護師/社会福祉士/介護士(通所リハビリ)

 


上村晋一理事長とリポーターの樫山結さん


患者さんだけでなく、そのご家族や地域の方が交流でき
る場をつくっている。写真は「花の会」の様子


料理教室も行っている


ヨガ教室も好評だ


院内で開催されたコンサートの様子


熊本県と熊本県医師会が進める「くまもとメディカル
ネットワーク」の構築を推進


2020年度中には、南阿蘇地域の交通アクセスが
地震以前の状態に戻ることになる