カテゴリー別アーカイブ: てなもんやサウンド笠

てなもんやサウンド笠 2013年8月31日放送分

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『ベスト・オブ・ダニエル・ブーン』/ダニエル・ブーン
(ユニバーサル UICY-1253)

オンエア曲:
「Sleepy Head」
「Sunshine Lover」

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
何と言っても「ビューティフル・サンデー」、このエヴァーグリーンな
一曲において有名なダニエル・ブーン。そんな彼の、何と全20曲
収録されているベスト盤が本日の「ベスト・オブ・ダニエル・ブーン」。
そもそもイギリス・バーミンガム出身のシンガーソングライターである
彼は、様々なセッションにおいてギタリストとしてプレイしていた。
トムー・ジョーンズ「よくあることさ(It’s Not Unusual )」のギターもこの人。
そういった活動と同時に曲提供でも手腕を発揮しており、そののちに
ダニエル・ブーンの名前でシンガーとしてデビュー。本国イギリスでは
1971年に「Daddy Don’t You Walk So Fast」をヒットさせた実績を持つ。
翌72年、あの「Beautiful Sunday」をリリース。イギリスとアメリカを
中心にヒットとなる。この時日本でも「すてきなサンデー」という邦題で
発売されたが、その際は全くと言っていいほど話題にならなかった。
しかし、4年後の76年、テレビ番組「おはよう720(セブンツーオー)」の
コーナー主題歌として再発売されると、今度は日本でも大ヒットとなった。
ともあれ、日本およびアメリカでは「ビューティフル・サンデー」のみの、
いわゆる「一発屋」と認識されているが、上記の通りキャリアに裏打ち
された有能さで、どの作品もとてもフレッシュで楽しめるものばかりだ。
そんな彼の作品が全20曲。おそらくほとんどの方にとって未聴の作品
ばかりであろうが、先入観を振り払って聴いて頂くことをお薦めしたい。

てなもんやサウンド笠 2013年8月24日放送分

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『Sweet Voices~KING&TAIHEI collection』/オムニバス
(キング KICJ-627~8[2枚組])

オンエア曲:
「恋人がほしい」
/ニットー・リズムボーイズ(1936[昭和11]年)
「イエスサー流線型ヨ」
/長谷川顕、ハセケンエンドヒズラッキーフォアー(1935[昭和10]年)

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
このところ日本における歴史的なジャズの音源が各レーベルから
CD復刻され続けており、ファンとしては嬉しいことこの上ない。
「スウィート・ボイス~キング&タイヘイ コレクション」と銘打った
このコンピレーションは、1934年から42年にかけてキングレコード
およびタイヘイレコードから発売された音源を全50曲まとめたもの。
キングレコードはご存知の通り、戦前から存在する老舗レコード
レーベル。講談社のレコード部門として設立された名門である。
そしてタイヘイレコード、こちらは当時関西を代表するレコード会社の
ひとつであった。同じ関西のニットーレコードを吸収合併し事業を拡大
しつつあったが、戦時下において講談社に買収された。戦後に再興を
果たし、のちに日本マーキュリーを名乗り消滅していったレーベルだ。
このふたつのレーベルが発売した戦前のジャズ音源をCD2枚に収録。
どれを取っても貴重な録音ばかりだが、特に面白いのはより希少性の
高いタイヘイレコードの音源であろう。その中から2曲を選んでご紹介。
まずはジャズ・コーラスグループ、ニットー・リズムボーイズによる
小気味よいコミカルなナンバー、「恋人がほしい」。この1年後に発売
されたコロムビア・ナカオ・リズム・ボーイズの「山寺の和尚さん」を
彷彿とさせる。続いては長谷川顕による、これまた昭和10年当時の
世相が面白おかしく盛り込まれていて楽しい「イエスサー流線型ヨ」。

てなもんやサウンド笠 2013年8月17日放送分

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『Thai Beat A Go-Go Vol.3』/オムニバス
(SUBLIMINAL SOUNDS SUBCD18[輸入盤])

オンエア曲:
「Pee Lah (Heartbreak Hotel)」/Sakarin Boonpit
「Soul Dracula」/Don

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
このコーナーではこれまでにも折に触れてアジア各国における
ポップスの音源をご紹介してきたのだが、今回もそういったCD。
こちらはスウェーデンのレーベル「サブリミナル・サウンズ」から
リリースされたコンピレーション盤なのであるが、その内容は
タイで60年代から70年代にかけて発売されたポップス、ロック、
ソウル、ディスコといった、今となっては極めてレアな珍盤ばかり。
それらを全18曲収録したのがこのオムニバス盤で、タイトルは
「Thai Beat A Go-Go Vol.3」。Vol.3と銘打つからには、当然
ながらこれ以前にVol.1とVol.2もすでに発売されているワケで、
それぞれ大好評であったためにこのたび続々編の登場となった。
タイのレア盤発掘シリーズ3作目ということで音源の掘り起こしも
かなり進んできており、前作に勝るとも劣らない衝撃を受ける。
ただし、収録アーティストに関する情報はほとんど不明である。
しかしそのおかげでというべきか、先入観のない状態で「音楽」
そのものを純粋に面白がりつつ楽しむことが出来るという寸法だ。
今日はこのCDの中から、特に印象的な「カバーもの」をご紹介。
まずはプレスリーのご存知「ハートブレイク・ホテル」のカバーで、
歌と伴奏がどうしても合わないところが聴きどころという一曲。
続いては何と、かのディスコミュージックにおける珍曲の筆頭格、
「ソウル・ドラキュラ」のカバー。オリジナルの持つインパクトを、
全く違う方向性で凌駕してしまったという「迷曲」と言えよう。

てなもんやサウンド笠 2013年8月10日放送分

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『五木の子守唄 第14回五木の子守唄祭生録音盤』
(キング NKCD-1432[プライベート盤])

オンエア曲:
「正調 五木の子守唄(合奏)」/三浦小学校 児童
「正調 五木の子守唄(独唱)」/堂坂ヨシ子

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
いよいよ8月盆を迎え、夏の行楽シーズン真っ只中である。
観光地を訪れると、お土産品としてCDが売ってあったりする。
収録内容は、その土地ゆかりの民謡をはじめ、民話の朗読、
祭りの実況録音など、地元の豊かな文化を収めてあるものだ。
私は個人的にこういった音源を買い求めるのが好きなのである。
ほとんどの場合これらのCDは現地の土産品売り場にひっそりと
置かれている。たとえば駅などの交通機関の拠点、あるいは
道の駅など。手作り感のある音源が多く、あたたかみを感じる。
また、音源の制作意図が、地元の人が「この音を聞いてもらいたい、
この音をお土産として持って帰ってほしい」という思いによるもの
であり、そのイチオシの音を連れ帰ることが出来るというわけだ。
さらに、これらの売価は基本的に高くない。その代金について、
「思い出の音をおすそわけして頂く手間賃として支払ってくる」
というふうに考えるならば、とても納得がいくというものである。
今日はそういった音源の中から、球磨郡五木村で購入してきた
「五木の子守唄」のCDをご紹介。「第14回 五木の子守唄まつり」
におけるライヴ録音であるが、演奏ならびに歌はすべて五木村の
人々によるもので、いずれも「正調」と呼ばれる節で収録されている。
これは全国的に広く知られている「五木の子守唄」のメロディー
(古関裕而が採譜したもの)とは異なるもので、郷土色を強く感じる。

てなもんやサウンド笠 2013年7月27日放送分

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『ラヴ!ミソラヒバリ ジャズ&スタンダードコンプリートコレクション』
(コロムビア COCP-33254~5[2枚組])

オンエア曲:
「ラヴ」(1965年)
「A列車で行こう」(1955年)

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
昭和を代表する歌姫、美空ひばりのCD2枚組の編集盤が登場。
1955年から1966年までにリリースされた彼女の録音の中から、
ジャズを中心にシャンソン、カンツォーネ、ラテンなどといった
スタンダードの名曲ばかりをピックアップしてまとめたものだ。
SP時代およびライヴ収録の音源は除外されていのであるが、
この2枚組によって彼女のスタジオ録音によるスタンダードが
完全網羅されるという、非常に価値の高いアイテム。全41曲。
彼女のジャズに対する解釈と表現力には定評があるわけだが、
このCDではその実力と魅力とを存分に堪能することが出来る。
コレクションするにはもってこいの、素晴らしい企画盤と言える。

てなもんやサウンド笠 2013年7月20日放送分

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『L’arbre Aux Reves (夢の成る木)』/Huong Thanh (フン・タン)
(BUDA MUSIQUE 2784138)

オンエア曲:
「HO DOI DAP MIEN NAM (魅惑の歌)」
「CO HAI MO (夢の成る木)」

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
あまり聴く機会のない、ベトナムの伝統音楽をご紹介。
フン・タンはフランス在住の女性シンガー。同じベトナム系
ミュージシャンらと共に、母国の音楽を下地にしたジャズ・
ポップ・チルアウト系といった作品を手掛けてきた人物。
そんな彼女がこのたび直球勝負で正統派のベトナム民謡に
取り組んだ一枚がこれ。フランスのレーベルからの発売だ。
バックの演奏を手掛けるのも、各々伝統楽器の名手たち。
全11曲収録されており、そのほとんどがベトナムで広く
知られているおなじみの民謡となっている。従って、手軽な
「ベトナム民謡カタログ」としてもうってつけの一枚なのだ。
そして何よりもフン・タンの歌心、魅惑の声に圧倒される。
あらためてワールドミュージックの魅力にゆっくりと浸り、
アジアの音楽を再発見する格好の機会となる好盤である。

てなもんやサウンド笠 2013年7月13日放送分

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『西田佐知子 ゴールデン・ベスト』
(ユニバーサル UPCY-9269)

オンエア曲:
「アカシアの雨がやむとき」(1960年)
「コーヒー・ルンバ」(1961年)

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
以前にもこのコーナーで採り上げたことのある「廉価版ベストCD」。
かつては見られなかった流れとして、日本の歌謡曲モノが安価で
登場し始めているのだが、この機会を逃しては実にもったいないと
思わせるアイテムがラインナップの中にいくつも存在しているのだ。
そのようなCDの中から、今日は西田佐知子のベストをお持ちした。
価格はというと、何と999円。 しかし内容はフルボリュームであり、
収録曲数は全22曲。 彼女のヒット曲は完全に網羅されている。
しかも音質面も万全であり、廉価版という言葉につきまとうイメージ
「安かろう悪かろう」という心配は無用という心強さであるから驚きだ。
西田佐知子は、1956年に日本マーキュリーから西田佐智子名義
(智の字が現在と違う)でデビュー。 その後浪花けい子に名を変えて
コロムビアに移籍したのち、1959年にはポリドールから再デビュー。
1961年に発売した「欲望のブルース」のB面「コーヒー・ルンバ」が
大ヒットとなり、一躍大スターとなった。 その影響で、前年に発売された
「アカシアの雨がやむとき」も後追いで売れ始め、これらの実績により
紅白出場やレコード大賞特別賞受賞等、大きな成功を収めたのである。
そうした彼女のヒット曲が、前述の通り年代順に22曲収録され、これで
999円というのは実にお得であり、見逃すには余りにも惜しい一枚だ。

てなもんやサウンド笠 2013年7月6日放送分

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『国民的歌手 藤山一郎全集 ~テイチク・ビクター編~』
(日本伝統文化振興財団/ビクター VZCG-8476~8[3枚組])

オンエア曲:
「東京ラプソディ」
「ミッキィ・マウスの結婚」(デュエット:平井英子)

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
今年3月にこのコーナーでCDセット「藤山一郎全集」を紹介した。
これは藤山一郎の生誕100年を記念して企画されたもので、
上巻3枚組にはヒット曲・有名曲を中心に66曲、続く下巻には
レア盤・貴重盤をセレクトして68曲がそれぞれ収録というもの。
上記はコロムビアから発売され、収録曲もコロムビアの音源を
中心に集められたが、実のところ藤山一郎は当時の国内における
大手レコード会社のほとんどに在籍した経験があり、先の上下巻
計6枚のCDには収められていない他レーベルの作品群も多い。
そこで今回お持ちしたのは、彼がビクターおよびテイチクに在籍
していた頃に吹き込んだ音源、計75曲をCD3枚組にまとめた、
「国民的歌手 藤山一郎全集 ~テイチク・ビクター編~」である。
東京音楽学校在学中にコロムビアからヒット曲を量産していた藤山。
それは自らの学費を稼ぐための行為ではあったが、アルバイトは
校則違反であったために停学処分を受ける。同時に流行歌歌手と
しての収入を失い、苦学生という立場になってしまった彼だったが、
そこに援助を申し出たのがビクター。その恩義に報いるため、
彼は学校卒業後にビクターヘ入社。3年間の契約を満了した後、
古賀政男の熱心な勧誘を受けてテイチクへ移籍…という経緯だ。
この時期の作品がまとめられたのが今日ご紹介の3枚組である。
これは、ビクターとテイチクという2つの老舗レーベルが今や同じ
グループとなったことで実現したものである。その中からまず
1曲目は、テイチク移籍第一弾として発売され、たちまち大ヒットと
なった「東京ラプソディ」、続いてはヒット曲にこそ恵まれなかった
ものの、他レーベル時代にはない多彩な楽曲をリリースしていた
ビクター時代の録音で、何とミッキー・マウスを題材にした極めて珍曲。

てなもんやサウンド笠 2013年6月29日放送分

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『TPO1』/TPO
(ブリッジ EGDS-34~35[2枚組])

オンエア曲:
「Dawning」
「Camacho Preguicosa」

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
TPOはシンセサイザーによる音作りをコンセプトとした、
5人のミュージシャンによって構成された音楽ユニット。
彼らをして「日本のアート・オブ・ノイズ」とも形容された。
サンプラーの元祖「フェアライトCMI」を日本で最初に
使用したグループとしても知られている。このサンプラーは
トレヴァー・ホーンがアート・オブ・ノイズやイエスの楽曲で
いち早く使用したオーケストラル・ヒット(オケヒット)、いわゆる
オーケストラの「ジャン!」という音で有名。一時期多用された。
1983年のデビューに際し、TPOは某レーベルの「CDデビュー
第1号」として他イベントと抱き合わせで大々的に売り出される
計画であったそうであるが、諸事情で白紙となり、実際は
同年にデビュー盤のLPとCD(それぞれ内容が少し異なる)を
ひっそりとリリースすることになったというエピソードを持つ。
このアルバム以降、メンバーはそれぞれの道に進むわけで
あるが、いずれも音楽の世界で大成していくことになる。
そんな知る人ぞ知る「シンセヒーロー」、TPOのデビュー盤
「TPO1」が、当時のLPとCDそれぞれの全曲と、発掘された
未発表曲を含めた完全版となってCD2枚組でこのたび復刻。
初期のシンセサイザーの魅力に満ちた一枚であり、メンバーの
「シンセが好きで好きで堪らない」という気持ちで溢れている。

てなもんやサウンド笠 2013年6月22日放送分

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『ベルトミュー:猫 他』/ザ・フルート・カルテット
(マイスター・ミュージック MM-1108)

オンエア曲:
リムスキー=コルサコフ「若い王子と王女」(シェエラザードより)
ドヴォルザーク「スラブ舞曲第1集 第7番」

※解説
まさいよしなりが今週ご紹介する音源はこちら。
今回はクラシック音楽の音源をご用意。ただし、少し変わった
編成でお聴き頂く次第。4人の日本人演奏家による録音なのだが、
グループ名は「ザ・フルート・カルテット」。フルート奏者4人組だ。
通常のフルートの他、低い音を担当するアルト・フルート、更に低音を
受け持つバス・フルート、そして高音担当のおなじみピッコロ、以上
4種類を楽曲ごとに各メンバーが持ち替えて演奏するというスタイル。
今回採り上げたアルバム「ベルトミュー:猫 他」の中においては、
フルートだけのアンサンブルのために書かれた作品ももちろん
含まれているが、本来は管弦楽のために書かれた作品をフルート
アンサンブル用に自分たちで編曲したものも多く収録されており、
実はその点こそが聴きどころであり、その手腕が大変面白い。
全9作品が収録されているが、その中からまずはリムスキー=
コルサコフによる有名な交響組曲「シェエラザード」から「若い王子と
王女」、続いてはドヴォルザークのスラブ舞曲第1集 第7番をオンエア。
フルートの魅力、表現力、楽器としての可能性を再発見する好盤だ。