2013第24節対FC岐阜

「1点目のホリ(28番MF堀米勇輝選手)のゴールのときも
ニアサイドに、2人ぐらい僕にマークがつられていたので、
やっぱりニアサイドを取るということが重要だということが
早速、証明されたと思うし、
僕自身も、そこに入り込むのが好きなので、チームの共通意識として
あそこにボールを入れ込んでいくという雰囲気があれば、
ああいうゴールとか、僕自身のゴールも生まれるのかなと思う」
今シーズン初めて、90分間プレーした39番FW北嶋秀朗選手が振り返りました。
前半7分、左サイド深くからのスローインを得たロアッソは、
24番DF筑城和人選手から7番MF片山奨典選手へ、
片山選手からのパスを受けた堀米勇輝選手がシュート。
岐阜DFの間隙を突き、先制ゴールが生まれました。
期限付き移籍元であるJ1・ヴァンフォーレ甲府の城福浩監督に
「(吉田靖前監督を)解任させてしまった分、
これからロアッソのために全力を尽くせ」と伝えられたという
堀米選手は、跳ね馬のエンブレムを握りしめ、
この試合から指揮を執る池谷友良監督代行に飛び付きました。
いわゆる「伝える言葉」を持ち、
組織内のマネジメントに長けている
池谷監督代行は、
試合の4日前に就任するという限られた時間のなかで、
「エンブレムに誇りを持って戦っているか、自問自答して欲しい。
勝ち負けも大事だが、
試合が終わった後に、胸を張れるようなゲームをしよう」
と、まず選手たちのメンタル面の立て直しに着手。
その上で、攻守において、戦術面で少しの決まりごとを作りました。
そのなかのひとつが
「左WBの片山選手がボールを持ったら、ニアに北嶋選手が入り、
空いたスペースを他の選手が探す」
というものでした。
先制ゴールのシーンは、まさしく約束通りのプレーだったのです。
試合の前日、北嶋選手は
「約束事ができたことによって、
それぞれのプレーで正解と間違いがはっきりする。
誰が悪いのかはっきりする。だからこそ要求できる」
と語りました。
羅針盤を失っていた選手たちに、再び、進むべき方向が示されたのです。
ただ、結果は、
後半42分、岐阜23番MF森安洋文選手に壁の間を縫うFKを決められ、引き分け。
池谷社長兼監督代行本人も「いびつな状況」と話す
クラブの社長がチームの監督を兼ねるという前代未聞の体制に、
10試合連続失点中、8試合勝利なし、ホームゲーム6試合勝利なしという
現実も忘れてはなりません。
そのなかで、北嶋選手は
「全員で魂込めて戦えた。
きょうの試合を最低限として、皆で、積み上げていけたらと思う」
と前を向きました。
個人的にも4週連続のホームゲームで、
対戦相手の分析、炎天下の取材、実況資料の作成に加え、
監督交代という一大事に、
理解できることと、できないこと、納得できることと、できないことが入り乱れ、
叫びたくなるような衝動にかられる瞬間もありましたが、
熊本と岐阜、J2参入6年目の同期対決において、
両クラブ、チームの現状、ゲームの位置づけをどうにか整理して、
臨むことができました。
ロアッソの宮内祐樹広報(昨シーズンまでは主務)と
ちょうど同じタイミングで
県民総合運動公園の駐車場からスタジアムに向かいました。
宮内広報は両手にDVDデッキを抱えていました。
「きのう、池谷さんから『モチベーションビデオ』を作ってくれと言われたんです」。
放送局に勤めていますから、
映像編集にどれだけの時間と労力が必要かは、
身に染みるほど分かって、
もっと言えば、骨の髄まで知らされています。
案の定、
「ほとんど徹夜です」
とのこと。
そして、
「これ(モチベーション映像)にすべて魂を込めたので、今は空っぽです」。
それそれがそれぞれの立場でやるべきことをやる、
あるべきところに、あるべき姿しかないのだと思っています。
山崎雄樹