2014第30節対大分トリニータ

今シーズンベストゲームだと思います。
整った舞台も、選手のファイトも、監督の采配も。
2010年シーズンから全7試合、ロアッソに勝ったことがない大分は、
「大分市民ホームタウンDAY」「9.6大分総力戦」と銘打ち、
この試合に大分県民を無料招待、
今シーズンJ2最多の2万636人のファンやサポータの応援で必勝を期しました。
一方、ロアッソ小野剛監督は、前線に35番FWアンデルソン選手を起用。
7月末の加入後、初スタメンです。
「合流当初は、なかなかコンディションもフィットしていなかったし、
どういう感じのプレーをするのか周りもつかめず、
周りとうまくかみ合うことができないまま、時間がたってしまった」
という苦しい状況のなかで
「彼自身、いろいろとコミュニケーションを取ることにトライしてくれた。
紅白マッチで駄目で、メンバーから外れても、
さらに、そこから腐らずに、しっかりとトレーニングをしてくれた」
と、小野監督は、その姿勢を高く評価し、
「まだまだ、どうかなという不安はもちろんあったが、
ゲームのなかで周りとの連係は作っていけばいい」
と起用を決断しました。
鬼気迫るプレーを見せたアンデルソン選手。
前半39分、
左サイドを30番MF仲間隼斗選手とのワンツーで抜け出した7番DF片山奨典選手、
本人が「シュータリング」(シュート+センタリング)と話す
鋭いボールでゴールを狙うと、
ファーサイドに飛び込むも、わずかに届かなかったアンデルソン選手は
「ここだ!俺だ!」と言わんばかりに、
大きなジェスチャーでパスを求めました。
後半に入っても、攻勢を強めるロアッソ。
それでも、ゴールが奪えず、
両チーム無得点のまま、後半30分を過ぎます。
小野監督は
34分、右サイドバックのポジションで選手を交代、
13番DF大迫希選手に代えて、
「運動量の豊富さ、前に行く力強さ、攻撃面の良さに期待」
して、
同じく攻撃的な選手、2番MF黒木晃平選手を投入します。
サブには、サイドバックを主戦場とする23番DF藏川洋平選手もいましたが、
指揮官は
「非常に難しい決断だった」
と語ったうえで、
「もし1点取っていたら、藏川をすぐに投入していたが、まだ0対0だった。
0対0で藏川を投入して、『0対0でしっかり守り切れ』というメッセージが
ひょっとしたら伝わってしまうかもしれない。
(大観衆で)ほとんど声が聞こえない状態だったので、
切るカードによって、選手にメッセージを伝えなくてはならなかった。
黒木晃平というカードで、攻めに行くんだということを伝えたかった」
と明かしました。
その狙いは、直後に的中します。
「高い位置をとって、僕は出たばかりでまだまだ元気だったので、
狙っていけたらいいなと思っていた」
という黒木選手が、右サイドからクロスを上げ、
17番FW齊藤和樹選手がヘディングシュート、
相手のクリアボールを10番MF養父雄仁選手がミドルシュート、
相手GKが弾いたボールを、アンデルソン選手が流し込んで、
ついに先制に成功します。
これが決勝ゴールとなり、1対0で勝利。
「とても満足している。得点によってチームが勝点3を取れたことが非常に大事」
と喜んだアンデルソン選手、
「チームのスタイルに慣れず、
熊本のスタイルに自分を合わせていくのに時間がかかった。
何とか自分を適合させることができた」
と加入後からの自らを振り返りました。
目の前に転がってきたボールを確実にものにした
加入後、初ゴール。
「このような機会を与えてくれた神様に感謝したい」
と締めくくりました。
山崎雄樹