2015第2節対ザスパクサツ群馬

報告・連絡・相談、いわゆる「報・連・相」や

「ありがとう」という感謝の言葉などのコミュニケーションは別として、

こびへつらうような、悪い意味での「社内営業」や、過剰な自己アピール、誇張したパフォーマンスは

あまり好きではありません。

淡々と取り組み、黙々と打ち込んだ先に、

評価されたり、ときには人知を超えた力が働いたのではないかという劇的なことが起こったり、

そう考えています。

ロアッソにとっては、ホーム開幕戦、熊本市水前寺競技場でザスパクサツ群馬と対戦しました。

右膝前十字靱帯断裂で長期離脱の35番FWアンデルソン選手に加え、

得点源として期待される11番FW平繁龍一選手も「重くはない」と言うものの怪我で欠場。

ワントップをつとめた17番FW齊藤和樹選手が、前線の起点としての役目を一手に担うことになりました。

平繁選手がワントップに配置された開幕戦、齊藤選手は2列目の中央でプレー。

齊藤選手は、トップでも2列目でも、その2列目の、中央でもサイドでもプレーできるプレーヤーです。

ピッチ外では穏やかなで物静かな性格ですが、

(かつてはピッチ内での声かけも少なく、

当時の首脳陣から「あいつはテレパシーで会話している」と揶揄されたこともありましたが…)

ゲームの2日前、ポジションについては「どこでも自分の仕事をするだけ」と言い切りました。

前半5分、群馬に先制を許したこの試合、

ロアッソは、28分、群馬が自陣PA内でボールの処理に手間取るところを、

齊藤選手が狙い、猛然とプレスをかけ、そこに、39番MF嶋田慎太郎選手が切れ込み、

相手選手に倒されて、PKを得ます。PKを嶋田選手が成功させて同点。

さらに、34分にも、齊藤選手が相手DFに激しいプレスをかけてボールを奪い、嶋田選手へ。

嶋田選手がGKとの1対1を落ち着いて制し、逆転。

ロアッソが昨シーズンから武器とする、前線から積極的にボールを奪いに行く守備からの2得点。

そのスイッチを齊藤選手が入れました。

しかし、後半20分群馬にFKを決められ、同点に追いつかれると、

試合は最後までお互いに勝点3を狙ったゲーム展開に。

なかでも、齊藤選手らしさが出たのは、44分のCK。

27番MF中山雄登選手選手がコーナーアークにボールを置くと、すぐさまキック。

二アサイドにいた齊藤選手のヘディングシュートはゴールの枠をとらえますが、

群馬GK富居大樹選手のファインセーブ惜しくもゴールならず。

注目すべきは、CKの前のプレーからヘディングシュートに至るまでのプレーです。

手前のタッチラインから中山選手が右サイド深くのスペースを狙って、スローイン。

そのスペースに走り込み、懸命にマイボールにしようとする齊藤選手。

最終的に、相手DFと交錯し、ゴールラインを越え、ピッチに倒れ込み、

かなり痛そうな表情を見せ、90分近く体を張り続けた疲労感を漂わせながらも、

すぐに立ち上がり、CKに備えました。

倒れてからヘディングシュートまでの時間は、わずか12秒でした。

試合後、惜しかったヘディングシュートについて、たずねると

「もう少し上を狙わないと」

と短い言葉で振り返りました。

相手選手と競り続けた名誉の負傷というべきでしょうか、右の瞼には切り傷がありました。

淡々と、黙々と。

次節こそ、今シーズン初勝利をめざします。

山﨑雄樹