2015第12節対大分トリニータ

何かを感じない人はいなかったと思います。

後半1分、ペナルティエリア手前で

相手FWのシュートを防ごうと臆することなく右足を振った 7番DF片山奨典選手。

激痛がそうさせたのか、相手選手と交錯した瞬間に重度の怪我であることを悟ったのか、

強く握った拳でピッチを何度も叩きました。

担架に乗せられても、なお、こみ上げる思いを抑えるかのように、目のあたりを手で覆いました。

大分トリニータとの 「バトルオブ九州」。

J2に属する22チーム中、21位と22位は「降格圏」と言われ、下位カテゴリーJ3への降格の恐れがあります。

20位大分と21位のロアッソ、悲壮なる状況で迎えたダービーマッチは、

絶対に、相手に勝点3を与えることは許されない、つまり、負けられない一戦でした。

今シーズン最多1万2770人が訪れたうまかな・よかなスタジアム、

どちらのファンやサポーターも、ゴール、そして、勝利の歓喜に沸くことはなく、

結果は、0対0のスコアレスドローでした。

しかし、冒頭に記した片山選手のプレー。

あるいは、後半12分、17番MF齊藤和樹選手のクロスに、

相手選手と空中で交錯しながら ゴール前に飛び込んでいった36番FW巻誠一郎選手の姿。

その大きな体躯はピッチの外、アンツーカーの部分に叩きつけられました。

決して、後手を踏んではならない、受身に回ってはいけないなか、体を張り続けました。

この試合こそ勝点3を得ることはできませんでしたが、大分戦から3日後のコンサドーレ札幌戦、

ロアッソは3対2で、実に10試合ぶりの勝利を得ました。

5月12日(火)、クラブから片山選手の怪我について、 右脛骨骨折で全治3ヶ月という発表がありました。

ほぼ不動だった左サイドバックのポジション、

ロアッソは、左の翼をもがれるという、とんでもない代償を払いましたが、

その痛みと引き換えに、本来の戦う姿勢を取り戻しました。

あす(17日・日)、 20位ロアッソ対21位FC岐阜、J2参入8年目の「同期対決」も、負けられません。

巻選手は

「チームのために厳しくハードワークすることが大事。

ちょっとでも甘い気持ちがあれば、失点するということを皆が肝に銘じながら、

スタートから最後までハードワークする。

最低限、ハードワークする。球際で戦う、チームのために走る。ボールを追う」

と、何度も何度も「ハードワーク」という言葉を口にして、

表情を引き締めました。

山﨑雄樹