2015第29節対ギラヴァンツ北九州

夢から覚めないような感覚でした。

後半24分の判定に、唖然とする17番FW齊藤和樹選手、憤怒する小野剛監督、

どちらも、これまで見たこともない表情でした。スタジアムにはブーイングが響き渡りました。

このゲームまで北九州との対戦成績は1勝6引き分け4敗、

しかも、ここ9試合勝ったことがありませんでした。

それでも、リーグ戦3連勝中のロアッソは、前半から主導権を握り、チャンスを作りました。

前半20分、39番MF嶋田慎太郎選手の左サイドからのクロスから、

こぼれ球を27番MF中山雄登選手がキープして、28番MF清武功暉選手がシュート。

24分には、10番DF養父雄仁選手の右サイドからのパスを

PA(ペナルティエリア)内で清武選手がキープし、齊藤選手のシュート。

先制のチャンスを逃すと、38分、パスをカットされたところからカウンター攻撃を受け、失点。

北九州のシュートはわずかに1本でした。

そして、問題のシーンは、後半24分に訪れます。

相手GKからのボールを清武選手がヘディングでカットすると、

齊藤選手がマイボールにし、一気に相手DF裏のスペースに抜け出し、

GKと1対1というビッグチャンスを迎えます。

たまらず飛び出したGKの足が齊藤選手の足にかかり、倒れる齊藤選手。

放送席から、そう確かに見えました。あとは、PAの中か外か。PKかFKか。

主審の長い笛が鳴り響いた後、下された判定は、

なんと齊藤選手がわざと倒れた、つまり、倒されたかのように見せたシミュレーションの反則でした。

このまま1対0での敗戦。

今月9日(日)から試合前々日の13日(木)まで

インターハイ・全国高校総体卓球競技の取材で滋賀県大津市に行きました。

野球の甲子園、ラグビーの花園、駅伝の都大路、高校スポーツの聖地と言われる場所です。

この夏、全国高校野球選手権に出場した九州学院の同行取材を担当した

新人の糸永有希アナウンサーにも

「甲子園は夢舞台だから。アルプススタンドには故郷があるから」

と伝えました。

それは、熱に浮かされたような心持ちになり、熊本に帰ってきた後、

日常業務にスムーズに戻るのが大変だからです。

それは、インターハイという全国舞台も、入社18年目の私も違わず、同じことでした。

それが、自らがかつて打ち込んでいた卓球、憧れていた場所なら、なおさらです。

熊本県勢は、なかなか思うような結果を残すことができませんでしたが、

宿泊したホテルや帰りの新幹線のなかで

「それでも努力は色褪せない。自分も一生懸命、仕事に打ち込もう」。

そんなことを考えながら、この試合の中継にむけての準備を進めてきました。

どこか、高揚感を伴った緊張感、あるいは、緊張感を伴った高揚感に包まれながら。

そして、この試合で繰り広げられたプレー、判定、リアクション。

まさに悪い夢のようでした。

試合後、判定について齊藤選手にたずねると

「今、何かを言っても結果も判定も変わらない。切り替えてやるだけ」

という答えが返ってきました。

気丈な振る舞いにこちらが救われました。

山﨑雄樹