カテゴリー別アーカイブ: ★山崎アナ・ザックリポート

2015第29節対ギラヴァンツ北九州

夢から覚めないような感覚でした。

後半24分の判定に、唖然とする17番FW齊藤和樹選手、憤怒する小野剛監督、

どちらも、これまで見たこともない表情でした。スタジアムにはブーイングが響き渡りました。

このゲームまで北九州との対戦成績は1勝6引き分け4敗、

しかも、ここ9試合勝ったことがありませんでした。

それでも、リーグ戦3連勝中のロアッソは、前半から主導権を握り、チャンスを作りました。

前半20分、39番MF嶋田慎太郎選手の左サイドからのクロスから、

こぼれ球を27番MF中山雄登選手がキープして、28番MF清武功暉選手がシュート。

24分には、10番DF養父雄仁選手の右サイドからのパスを

PA(ペナルティエリア)内で清武選手がキープし、齊藤選手のシュート。

先制のチャンスを逃すと、38分、パスをカットされたところからカウンター攻撃を受け、失点。

北九州のシュートはわずかに1本でした。

そして、問題のシーンは、後半24分に訪れます。

相手GKからのボールを清武選手がヘディングでカットすると、

齊藤選手がマイボールにし、一気に相手DF裏のスペースに抜け出し、

GKと1対1というビッグチャンスを迎えます。

たまらず飛び出したGKの足が齊藤選手の足にかかり、倒れる齊藤選手。

放送席から、そう確かに見えました。あとは、PAの中か外か。PKかFKか。

主審の長い笛が鳴り響いた後、下された判定は、

なんと齊藤選手がわざと倒れた、つまり、倒されたかのように見せたシミュレーションの反則でした。

このまま1対0での敗戦。

今月9日(日)から試合前々日の13日(木)まで

インターハイ・全国高校総体卓球競技の取材で滋賀県大津市に行きました。

野球の甲子園、ラグビーの花園、駅伝の都大路、高校スポーツの聖地と言われる場所です。

この夏、全国高校野球選手権に出場した九州学院の同行取材を担当した

新人の糸永有希アナウンサーにも

「甲子園は夢舞台だから。アルプススタンドには故郷があるから」

と伝えました。

それは、熱に浮かされたような心持ちになり、熊本に帰ってきた後、

日常業務にスムーズに戻るのが大変だからです。

それは、インターハイという全国舞台も、入社18年目の私も違わず、同じことでした。

それが、自らがかつて打ち込んでいた卓球、憧れていた場所なら、なおさらです。

熊本県勢は、なかなか思うような結果を残すことができませんでしたが、

宿泊したホテルや帰りの新幹線のなかで

「それでも努力は色褪せない。自分も一生懸命、仕事に打ち込もう」。

そんなことを考えながら、この試合の中継にむけての準備を進めてきました。

どこか、高揚感を伴った緊張感、あるいは、緊張感を伴った高揚感に包まれながら。

そして、この試合で繰り広げられたプレー、判定、リアクション。

まさに悪い夢のようでした。

試合後、判定について齊藤選手にたずねると

「今、何かを言っても結果も判定も変わらない。切り替えてやるだけ」

という答えが返ってきました。

気丈な振る舞いにこちらが救われました。

山﨑雄樹

 

 

 

 

 

 

 

 

2015第27節対栃木SC

「(シーズン)前半戦取りこぼした試合が多かった。やっと見返せていると言うか、

熊本の強さをアピールできていると思う」

と、先制点につながるCKを蹴った10番DF養父雄仁選手は胸を張りました。

18位ロアッソとの勝点の差はわずかに2、19位栃木SCとの大事なゲームを

2対0で制しました。

「急いでボールを置きに行きました。養父です。非常にいいプレーです」

手前味噌ですが、後半28分、ロアッソが得たCKのシーン、

素早くリスタートに向かった養父選手のプレーを、実況で称えさせてもらいました。

「相手はFWの選手が(守備に)帰って来て完成だと思う。見たときに(帰るのが)遅かった。

これはボールの質より速く蹴ることが大切だと思った」

と、狙いを説明した養父選手。

その言葉通り、養父選手のキックからフリーで17番FW齊藤和樹選手がヘディング、

さらに、フリーで32番DFクォンハンジン選手が押し込んで、先制に成功します。

貴重な得点につながったことは、もちろん、

2012年シーズンからJリーグが提唱している「+Qualityプロジェクト」(プラスクオリティープロジェクト)の

「4つの約束」のなかのひとつ「リスタートを早くしよう」に、ぴったり当てはまるプレーでした。

このプロジェクトは、ファンやサポーターの目線で、

「もっと質の高い試合は何か」を追求し、試合の魅力アップにつなげようというものです。

J2参入8年目のロアッソは、

ファンやサポーターに支えられ、この試合でホームゲーム通算入場者数100万人を達成。

その節目の試合で「+Quality」なプレーが観られ、なお勝利につながるプレーであったことは、

何とも嬉しいことです。

「満足している人は誰もいない。(シーズン)前半の分を取り返して、1つでも上に行けるように

自分たちの目標に向かって頑張るだけ」

と、精悍な顔つきで背番号10は締めました。

山﨑雄樹

 

2015第25節対東京ヴェルディ

転機とは、思わぬ形で訪れたり、

そのときは気づかなくても、

後に振り返って「ターニングポイント」と呼ばれるものになったり。

あるいは、自身が自ら選んだ変化もありますが、誰にも先のことはわからず、

想像さえしていない好事に驚いたり、その逆で「こんなはずではなかった」と悔やむこともあったり。

プロサッカー選手にとって、転機と言えば、やはり移籍です。

1対0の敗戦で、今シーズン初の3連勝はなりませんでしたが、

J1ベガルタ仙台から期限付き移籍中の41番GKシュミット ダニエル選手と

同じくJ1サガン鳥栖から期限付き移籍中の28番MF清武功暉選手が

存在感を示しました。

序盤から好調の東京ヴェルディの長短織り交ぜたパスワークに翻弄されますが、

前半19分、その直後のCK、さらに、25分とシュミットダニエル選手を中心に

粘り強く守り、ゴールを許しませんでした。

「シュートを浴びた印象はある。止めたり、ピンチを防いだり、そういう場面は多かった」

と、シュミットダニエル選手は話しましたが、

唯一、後半29分の失点について

「あれを止めていれば、ファインセーブ連発という捉え方になるが、

一発で沈むようなチームになっちゃいけない」

と、振り返りました。

また、後半15分から途中出場した清武選手は

17分、24分とシュートを放つと、同じく24分に得意のロングスローでヴェルディゴールを脅かします。

その後も、41分のCK、アディショナルタイムのFKとチャンスを演出しました。

清武選手は

「0対0の状況だったので、得点を意識した。流れを変えて得点を取りにいく。

それを次にしっかりつなげたい」

と、収穫と課題を語りました。

26歳までの日本代表入りを目標とする23歳のシュミットダニエル選手は

「自分が代表になるためのステップとして試合に出る。見てもらう。このチームの危機を救う」、

兄に日本代表弘嗣選手を持つ清武選手は

「兄には『結果を出せるチャンス、頑張れ!』と言われた。

試合に出たい。成長できると思い、移籍を決意した。

沈んでいるチームを自分の力で浮上させたい」、

ともに、移籍時に、強い決意を語ってくれました。

2人が揃った7月は3勝2引き分け1敗と、好調のロアッソ。

飢えた男たちが、梅雨明けした熊本を、さらに熱くしてくれるはずです。

山﨑雄樹

 

 

2015第23節対愛媛FC(第24節横浜FC)

「若いときに流さなかった汗は、年老いてから(悲しみの)涙に変わる」。

幼い頃から、母親によく言い聞かされてきました。

さて、去年9月20日の第32節栃木SC戦以来、実におよそ10か月ぶり、11試合ぶりの

メインのホームスタジアム、うまかな・よかなスタジアムでの勝利です。

第21節ジュビロ磐田戦(7月4日)から第23節愛媛FC戦(7月12日)までと、

第24節横浜FC戦(7月18日)から第26節ジェフユナイテッド千葉戦(7月26日)まで、

暑い時期に中3日の3連戦が2回行われるJ2。

第22節アウェイでのザスパクサツ群馬戦(7月8日)を終え、

空路、帰熊した選手たちは、過酷な練習に取り組みました。

愛媛FC戦の3日前、この日の熊本市の最高気温は35度8分、

炎天下、午後1時から、走りに走りました。

スカパー!Jリーグ中継でリポーターをつとめている風戸直子さんは

その激しさに驚くとともに

「藏さん(23番藏川洋平選手)がものすごく頑張っていた」「藏さんがすごかった」、

何度も何度も(少なくとも10回以上は…)私に

37歳のベテラン選手の奮闘ぶりを語りました。

「次の試合のことを考えれば(練習の)負荷を落とした方がいいが、

シーズン最後まで力をつけていくことが大事。

心身のコンディションがいい選手を起用する」

と、小野剛監督が話した通り、

藏川選手は5試合ぶりにスタメンで起用され、2対0での勝利に貢献すると、

続く第24節(7月18日)横浜FC戦にも先発出場し、今シーズン初ゴールをマーク。

チームも3対0で勝ち、今シーズン初の連勝を記録しました。

小野監督は

「『目先の試合より成長』と言うと周囲からかなり反対されたが」

と、報道陣に前置きしたうえで

「花が開いてくるのは何か月か先だと思っていた。

成長なくして将来はない。私が監督をやっている限り、その覚悟と信念は曲げない」

と、表情を引き締めました。

ときにサッカーは人生にたとえられます。

冒頭の言葉の

「若いとき」を「プレシーズンからシーズン序盤」に

「年老いてから」を「シーズン終盤の勝負どころ」に置き換えてみれば、

選手たちが流した汗が、まさしく連勝という結果につながっていることを実感できます。

山﨑雄樹

 

 

 

2015第20節対カマタマーレ讃岐

「自分がミスをして負けた」

と、J1湘南ベルマーレから育成型期限付き移籍でロアッソに加入し

初出場となった24番DF岡﨑亮平選手は、落ち込んだ表情で話し、

「失点のところは彼自身悔しい思いだったと思う。

まだ若い選手でこれからどんどん成長して、チームの大きな力になってくれる」

と、小野剛監督は、励ますように試合後の記者会見で語りました。

北野誠監督をはじめ、11番FW高橋泰選手など、ロアッソ在籍経験者が7人もいる

カマタマーレ讃岐に1対0で敗れました。

前節、東京ヴェルディに2対0で快勝したメンバーから1人を変更、

それに伴うポジションの変化もありました。

38番MF上村周平選手に代わって岡﨑選手がスタメンに、

守備的MF(ボランチ)には、前節CB(センターバック)だった4番園田拓也選手が入りました。

両チーム無得点で迎えた後半の立ち上がり1分、

讃岐の自陣からのロングボールに岡﨑選手と33番FW木島良輔選手が競争になりました。

木島選手もかつてロアッソでプレーし、2009年シーズンには自己最多の10ゴールをマーク、

今年36歳になったベテラン選手です。

百戦錬磨の木島選手は

「相手のCB(岡﨑選手)が若い子だったのかわからないけど、隙を見せてくれた」

と、振り返り、先に前に体を入れ、ボールをコントロール。

岡﨑選手は倒れ込み、GKシュミット ダニエル選手までかわされ、先制ゴールを許します。

これが決勝点となり、痛恨の敗戦。

「自分が出ても、0で抑えないといけない。チームとしては前節勝って、いい流れなので

その流れを絶対に止めたくなかった。自分のミスが響いた」

「シンプルにやらないといけない。しっかりとクリアしなきゃいけないなか、自分の能力不足。

裏に出たボールを処理する力が足りない。

そこを突き詰めていかないと、この先はない」

「熊本に来た意味は何なのか、自分のなかで確認して臨みたい」

と、この春、中央大学を卒業したばかりの23歳、ルーキーは自分を責めました。

かつて、赤いユニホームを着て、ファンやサポーターを沸かせたベテランに、

高い授業料を払うことになりましたが、この悔しさを糧に、成長することを願います。

新年度が始まり、3ヶ月がたち、

どこの会社や学校、組織にも、思い悩む新入社員や新入生、ルーキーがいるはずです。

選手と自分との共通点を見つけ、

「あの選手が必死に戦っているんだから、自分も頑張ろう」

と観戦、応援できることも、スポーツの魅力のひとつです。

「涙の数だけ強くなれるよ」

四十路を迎えた私の学生時代、大流行した曲の歌詞を思い浮かべながら。

頑張れ、ルーキー!

山﨑雄樹

 

 

 

2015第18節対ギラヴァンツ北九州

鬼門。

広辞苑によると

「ろくなことがなくて行くのが嫌な場所。また、苦手とする相手・事柄」

とあります。

またしても2対0の敗戦。

これで、北九州との通算対戦成績は1勝4引き分け6敗、

北九州のホーム、本城陸上競技場では0勝2引き分け4敗、

2013年には、7対0という大敗を喫したこともありました。

まさに、ロアッソにとっては、広辞苑に記された意味通りの場所、相手です。

また、方角は「北東」を指し示し、

熊本市から見て本城陸上競技場は、北東とまでは行かなくても、やや東よりの北の方角に位置します。

「なるほど…」と納得してばかりもいられません。

勝敗にはやはり原因があり、データには背景があります。

J2参入6年目の北九州は、監督が変われど、堅守速攻というチームスタイルを確立しつつあります。

歴代のFWの中心選手を見ても

池元友樹選手(2005~2006・2010~2014在籍 現在松本山雅FC所属)

端戸仁選手(2012在籍 現在横浜F・マリノス所属)

常盤聡選手(2012在籍 現在ロアッソ熊本所属)に、

この試合のスタメン

9番原一樹選手(2014~在籍)と25番小松塁選手と

スピードに優れた選手が揃っています。

一方、ロアッソの歴代のDF陣(センターバック)は、

長身でヘディングが得意、屈強な体躯を生かし対人プレーに強い選手が

多い印象を受け、一瞬のスピード勝負では分が悪いように思えます。

7対0で敗れた試合も、ほとんどの失点が悪いボールの失い方からのカウンター攻撃を受けたものでした。

今回も、

前半32分、マイボールのパス交換にミスからのカウンター攻撃と

前半45分、GKシュミット ダニエル選手のゴールキックからはじまったプレーから

セカンドボールを拾われ、一発のパスでロアッソのDFとGKの間のスペースを狙われ、

原選手に2ゴールを許しました。

ミスマッチが起こるのであれば、練られた戦略や戦術で補うしかありません。

ディフェンスラインを高く保ち、コンパクトな陣形を保つという

「自分たちのサッカー」で長所対長所の真っ向勝負を挑まずとも、

自陣に引いた陣形でディフェンスライン背後のスペースを消すことで

相手の長所を消すという戦い方を見てみたかったというのは私だけでしょうか。

せっかく、かつて日本代表コーチとして、世界の舞台での精密な分析で力を発揮し、

「日本サッカー界屈指の知将」と呼ばれる小野剛監督が率いるチームなのですから。

山﨑雄樹

 

 

 

2015第17節対V・ファーレン長崎

「今まで一番嬉しかった」

41番GKシュミット ダニエル選手が笑顔を見せました。

ホーム・熊本市水前寺競技場でV・ファーレン長崎に1対0で勝ち、

今シーズンのホームゲーム9試合にしてようやく初勝利、

J2参入8年目、ホームゲーム通算50勝目を挙げました。

このゲーム、ゴールマウスを守ったのは、

18歳からの23歳の選手が、

定められた移籍期間以外でも下位カテゴリーのリーグに移ることができる育成型期限付き移籍で

J1ベガルタ仙台からやってきたシュミット ダニエル選手でした。

昨シーズンも、同じ制度を使ってロアッソでプレーした経験があります。

昨シーズンは

1番畑実選手、18番永井建成選手、21番金井大樹選手という3人のGKのうち

畑選手と永井選手が怪我、

急遽、当時の加藤竜二GKコーチを選手登録しなければならないほどの

のっぴきならない台所事情がありました。

4月20日から5月19日までの1ヶ月、4試合に出場、

成績は

第9節1対1V・ファーレン長崎

第10節0対0水戸ホーリーホック

第11節0対0ファジアーノ岡山

第12節2対2コンサドーレ札幌

勝つことも負けることもなく、4試合すべて引き分けでした。

また、仙台でもヤマザキナビスコカップ1試合の出場にとどまりました。

今シーズン、再びロアッソにやってきたシュミット ダニエル選手。

しかし、昨シーズンとは違い、畑選手、永井選手、金井選手は怪我なく、健在。

さらに、31番原裕太郎選手も加わり、GKは4人体制になっていました。

他のGKへの波紋も考えられましたが

「GKがしっかり4人揃っているなかで、5人目で来たが、皆入りやすい環境を作ってくれた。

本当にいい雰囲気のGKチーム」

とシュミット ダニエル選手は澤村公康GKと他のGKに感謝します。

そして

「絶対に勝利という形で最初の恩返しができるようにと思ってプレーしていた」と話しました。

冒頭に記した

「今までで一番嬉しかった」というコメントの背景には

自身のJリーグ初勝利もありますが、

「他のGKの気持ちを背負ってプレーするというメンタルの持ち方で試合に入っていった。

他のGKのために戦い、勝ったので」

とその思いを語ります。

プレー面では

前半25分、長崎23番MF梶川諒太選手の強烈なシュートを横っ飛びでセーブ、

キックの飛距離は、観客からどよめきが起こるほどでした。

また、

「自分たちが攻めているときの(フィールドプレーヤーへの)声かけ、相手のカウンター(攻撃)の起点となる

選手をマークさせて、そこを潰させるとか、主にマークのところを指示した」

と振り返った通り、走力を武器に長崎が得意とするカウンター攻撃を封じました。

「ひたすら(他のGKに)抱きついていた」

と喜びを表現する一方で

「(この勝利で)勢いが生じないといけない、勢いをもたらしたい。

絶対に連勝しなきゃいけない」

と、ロアッソの一員として次節を見据えました。

山﨑雄樹

2015第15節対セレッソ大阪

「セレッソ相手にびびらず、しっかりやれたと思う」

というキャプテン4番DF園田拓也選手の言葉がすべてを物語っていました。

セレッソ大阪と対戦、0対0のスコアレスドローでした。

セレッソは、このゲームまで8位ながら、J2屈指の戦力を誇ります。

10番フォルラン選手は、元ウルグアイ代表、2010年のワールドカップ南アフリカ大会で得点王を獲得、

MVPに選ばれました。

18番カカウ選手は、元ドイツ代表、同じくワールドカップ南アフリカ大会に出場、

日本人プレーヤーでも

2014年のワールドカップブラジル大会を経験した日本代表MF山口蛍選手が

キャプテンマークを巻いて、スタメン出場。

また、サブにも

2006年のドイツ大会、2010年の南アフリカ大会とワールドカップに2大会連続で出場した

20番玉田圭司選手に、

2006年ワールドカップドイツ大会日本代表茂庭照幸選手が控えるという豪華な布陣です。

小野剛監督も

「『普通車のレースにF1カーが入ってこないでよ』と思う」

と冗談交じりに話したほどでした。

それでも、

「前線からしっかりプレスをかけて自分たちのサッカーを披露できた」

という園田選手の言葉通り、

前線の17番FW齊藤和樹選手や36番FW巻誠一郎選手を先頭に

激しいプレッシングを相手GKのところまで、かけ続け、

ボールを奪いきれなくても、相手の自由を奪う、パスコースを限定するという作業を

徹底して行いました。

また、前半10分にセレッソ山口選手のシュートを髙柳選手がブロック、

27分には、鮮やかなパスワークを見せるセレッソ、カカウ選手のシュートを1番GK畑実選手がセーブ。

体を投げ出し、相手より走り、ゴールを守り続けました。

なかでも、後半39分の攻撃から守備、守備から攻撃への切り替えは見事でした。

左45度で得たFKから一度はセレッソのカウンター攻撃を受けますが、

2番MF黒木晃平選手がパスをカットすると、スピードに乗ってボールを運び、

10番DF養父雄仁選手のクロスからゴール前に巻選手が飛び込みました。

惜しくもゴールはなりませんでしたが、

園田選手も

「最後のところは、泥臭く体を張るところで自分たちはみせていくことが重要。

きょうに関しては、選手皆が体を張って守備をして、そこからの攻撃をたくさん作れた」

と振り返りました。

ただ、あと一歩。わずかなところで最後の精度を欠き、ゴールを奪うことはできませんでした。

今節の戦いが、決して特別なものではなく、ベースにあれば、

J3降格圏脱出は、そう遠くはないと思います。

「きょうのような試合を次もできるように、勝てるように、1週間、練習から取り組んでいきたい」

と主将は締めくくりました。

2015第14節対FC岐阜

結果は結果。

勝点の多さを競うJ2のリーグ戦でもっとも大事なのは、勝つこと、勝点を得ることです。

ロアッソ熊本を率いる小野剛監督が

「内容としては下を向くような試合ではなかった」、

「危ないシーンは、本当に頭のなかでも、それほど浮かばない」

と振り返った試合であったとしても、敗戦は敗戦。

しっかりと、真正面から結果を受け止め、原因を分析する必要があります。

20位と低迷するロアッソは、勝点は11で並ぶ21位FC岐阜をホーム熊本市水前寺競技場に迎えて

絶対に負けられない重要な一戦に臨みました。

結果は2対1、痛恨の逆転負けで、再び最下位に転落。

「ちょっとでも甘い気持ちがあれば、失点するということを皆が肝に銘じながら…」

と試合前、話していた36番FW巻誠一郎選手の言葉が悪い形で的中してしまいました。

後半1分、自陣から17番FW齊藤和樹選手がドリブルで持ち込み、

2番MF黒木晃平選手も、長い距離を走って、攻撃参加。

相手守備陣の意識を分散させると、最後は、齊藤選手が、自ら左足を振り抜き、先制ゴール。

実に70mほどを運んでのスーパーゴールにスタジアムも沸きに沸きました。

しかし、その直後に、ロアッソは自陣でファウルを犯し、岐阜にFKを与えると、

そのFKからヘディングシュートを決められ、同点に。

公式記録では、先制点の2分後、まさに、「あっという間に」追いつかれました。

さらに、後半34分、岐阜陣内深く左45°で得たFK、勝ち越しへの意識が強すぎたのか、

相手GKがキャッチしたボールをスローイングしたところから始まったカウンター攻撃を防げず。

ロアッソにとっては、がら空きの右サイドのスペースを自由に使われ、

わずかに、スローイングと縦パス1本で、チャンスが一転してピンチに。

最終的には、27番MF中山雄登選手が相手シュートを手でブロックしたというハンドの反則でPKを献上。

このPKが決勝ゴールとなったことで、ハンドのシーンがクローズアップされてしまいますが、

問題は、それ以前にあると感じています。

得点直後の時間帯、

それがスーパーゴールの後なら、なおさら、気の緩みに注意しなければならない時間に

相手に付け入る隙を与えるようなプレーをしてしまったのか、

また、攻めているときにこそ必要な、攻撃と守備が入れ替わったときのリスク管理ができていなかったのか。

「神は細部に宿る」という言葉があります。

出典や解釈は、諸説あるようですが、

念入りに準備をし、緊張感を持ち、細心の注意を払いながら実行に移さなければ、

ことを成し遂げることはできないと、私自身は考えています。

これでもか、これでもか、と準備に準備をし、打ち合わせに打ち合わせを重ねても、

100点満点だったという放送や中継や実況ができた記憶はありません。

そんな私が言うのもおこがましい限りですが、

やはり日頃のトレーニングや生活が、

緊張感に満ちたものなのか、そこから隙や甘さを排除できているのか、

確認することが必要だと思います。

実際に、小野監督も

「残念ながら小さなミスがいくつか重なって失点してしまった」

と語っているのですから。

山﨑雄樹

2015第12節対大分トリニータ

何かを感じない人はいなかったと思います。

後半1分、ペナルティエリア手前で

相手FWのシュートを防ごうと臆することなく右足を振った 7番DF片山奨典選手。

激痛がそうさせたのか、相手選手と交錯した瞬間に重度の怪我であることを悟ったのか、

強く握った拳でピッチを何度も叩きました。

担架に乗せられても、なお、こみ上げる思いを抑えるかのように、目のあたりを手で覆いました。

大分トリニータとの 「バトルオブ九州」。

J2に属する22チーム中、21位と22位は「降格圏」と言われ、下位カテゴリーJ3への降格の恐れがあります。

20位大分と21位のロアッソ、悲壮なる状況で迎えたダービーマッチは、

絶対に、相手に勝点3を与えることは許されない、つまり、負けられない一戦でした。

今シーズン最多1万2770人が訪れたうまかな・よかなスタジアム、

どちらのファンやサポーターも、ゴール、そして、勝利の歓喜に沸くことはなく、

結果は、0対0のスコアレスドローでした。

しかし、冒頭に記した片山選手のプレー。

あるいは、後半12分、17番MF齊藤和樹選手のクロスに、

相手選手と空中で交錯しながら ゴール前に飛び込んでいった36番FW巻誠一郎選手の姿。

その大きな体躯はピッチの外、アンツーカーの部分に叩きつけられました。

決して、後手を踏んではならない、受身に回ってはいけないなか、体を張り続けました。

この試合こそ勝点3を得ることはできませんでしたが、大分戦から3日後のコンサドーレ札幌戦、

ロアッソは3対2で、実に10試合ぶりの勝利を得ました。

5月12日(火)、クラブから片山選手の怪我について、 右脛骨骨折で全治3ヶ月という発表がありました。

ほぼ不動だった左サイドバックのポジション、

ロアッソは、左の翼をもがれるという、とんでもない代償を払いましたが、

その痛みと引き換えに、本来の戦う姿勢を取り戻しました。

あす(17日・日)、 20位ロアッソ対21位FC岐阜、J2参入8年目の「同期対決」も、負けられません。

巻選手は

「チームのために厳しくハードワークすることが大事。

ちょっとでも甘い気持ちがあれば、失点するということを皆が肝に銘じながら、

スタートから最後までハードワークする。

最低限、ハードワークする。球際で戦う、チームのために走る。ボールを追う」

と、何度も何度も「ハードワーク」という言葉を口にして、

表情を引き締めました。

山﨑雄樹