阿蘇山上の気象観測 86年の歴史に幕 

86年続いた阿蘇山上での気象観測が
きょう午後2時で終わりました。
テレビやラジオでもよく伝えていた
「阿蘇山上の気温は・・・」といった
観測データがなくなることになります。

標高1142メートルと
気象台が県内に設置している観測所の中で、
最も標高の高い場所にあったため、
今の時期は阿蘇山上の気温を見ると、
上空の寒気の流れ込みもよく分かり、
色々と役に立つデータだったので残念です。


観測終了の理由は中岳の火山活動です。
火山活動が活発となった2014年以降は、
雨量計に火山灰が詰まったり、
観測機器が火山ガスの影響を受けたりと
安定した観測ができなくなるケースも…
さらに、中岳の噴火警戒レベルが3になると
気象台職員も観測所に立ち入ることはできず、
継続的な観測が難しくなったからです。

現在、阿蘇地域にある観測地点は、
阿蘇乙姫、南小国、高森、南阿蘇です。
南阿蘇村の観測所は2015年に臨時で設置され、
今回、常設の観測所となりました。
山麓の観測点が増えたメリットはありますが、
1931年から続いた阿蘇山上での観測が終わり、
86年にもわたる観測データが途切れることは、
やはり残念な気がします。