福居万里子です。
今月1日に発生した大地震と津波により、石川県能登半島を中心に北陸の広い範囲に被害が出ています。
きょう1月9日の時点でも全容はつかめておらず、この先どこまで影響が広がるのか、いまだに分かりません。
私たちが暮らす熊本から、今、そして これから先、どんなことができるのか――
ひとつ、紹介させてください。
『 大切な人が被災したときに、自分にできることが見つかる本 』
発行:BRIDGE KUMAMOTO( ブリッジ クマモト )
私がこの本に出会ったのは2022年3月でした。
当時 夕方Liveゲツキン!で取り上げ、instagramでも紹介したことがあります。
2020年に発生した【 7月豪雨 】の経験から、
▼被災地( もしくは 被災地のそば )にいる人
▼被災地から離れた場所にいる人
▼ボランティア経験がある人
▼ボランティア経験がない人
それぞれの立場で『 できること 』を提案するものです。
インターネットでも無料公開されていますので、読んでみてください。
そして、『 できること 』を すでに始めている人たちも たくさんいます。
火曜日の放送を担当しているRKKラジオ『 午後2時5分 一寸一服 』のために熊本市の鶴屋百貨店を訪れると、1階インフォメーションには募金箱が。
地震発生の翌日、1月2日の初売りの日から設置したそうです。
インフォメーションのスタッフの方に話を聞きました。
「 世代を問わず若い方々も自然と募金をしていってくださいます 」
「 小さなお子さんが “ お年玉袋 ” を持ってきてくれたこともありました 」
「 みなさん、“ 熊本地震で被災する辛さを知っているから ” と口々に仰います 」
それから、5階・漆器売り場にも伺いました。
石川県の伝統工芸といえば『 輪島塗(わじまぬり) 』。
その美しさだけでなく、丈夫で長持ちすることから熊本にもファンは多く、
被災地の職人さんたちの状況や今後の生産見通しなど、心配して売り場を訪ねる人が後を絶ちません。
売り場の方によりますと、
「 鶴屋と取引のある職人さんたちの命は無事で、連絡がとれている 」
「 しかし、復旧もままならない状況で、生産作業を再開する目途はたっていない 」
・・・ということです。
輪島塗の漆器は、お正月をはじめとした祝いの席に喜ばれ、
先日の年末商戦のシーズンも、それはそれは大人気だったそうです。
今回の地震が発生してからは、元々のファンは もちろん、
「 普段は買うのを遠慮していたけれど、今こそ買いたい! 」という人も少なくないとか。
ただ、支援物資さえ滞るような物流状況では、しばらくは新規入荷は難しいというのが現状で、いま店頭に並んでいる分に限られるということです。
ですから、「 今すぐ買って応援したい! 」というだけでなく、
これから先、少し時間が経ってから・・・
例えば季節の節句、家族の祝い事を迎えるたびに、その都度 売り場を覗いてみてください。
それが、息の長い支援となり、被災地へのエールになるはずです。
それから・・・
今回の災害は気象庁に『 令和6年 能登半島地震 』と命名されました。
メディアによる報道も、被害が集中している能登半島のことが多く、このエリアが注目されがちです。
しかし、実際は私たちが思っている以上に広い範囲に被害が及んでいるようです。
私も自分自身に言い聞かせていますが、視野を広く持ち、想像力を働かせながら被災地に想いを巡らせることも必要かもしれません。
一方で、今回の災害は8年前の熊本地震の辛い記憶を呼び覚ましてしまうのも事実です。
心が苦しくなったときには、災害報道から少し距離をとってもいいと、私は思います。
被災地から離れた場所にいる私たちが “ 普通に暮らす ” のも、大切です。
自分たちの日常を大切にしながら、被災地へ、いっしょに心を寄せましょう。