原点回帰で巻き返しを誓う

バスケットボールB2の熊本ヴォルターズは、
第25節、アウェイ・松山市総合コミュニティーセンターで、
愛媛オレンジバイキングスと対戦しました。

1日(土)に行われた1戦目は、
体調不良から復帰した神原裕司選手が
5本の3Pシュートを含む17得点と持ち味を発揮します。
さらに、“走れるビッグマン”副キャプテンの中西良太選手は23得点と大暴れ!
チームは77対66で勝利します。

しかし、2日(日)の2戦目は、
第1クォーターに愛媛に3Pシュートを6本決められるなど、
序盤からリードを許します。
最大16点差をつけられながらも、第4クォーターには一度逆転しましたが、
再び突き放され、86対77で敗れました。

愛媛とは1勝1敗。
ヴォルターズは、依然として、西地区3位です。

 
この愛媛遠征から3日後の、5日(水)。

ヴォルターズの選手・スタッフは、益城町総合体育館を訪れました。

2013年のチーム結成からホームアリーナとして使用してきた
益城町総合体育館は、熊本地震後の影響で建て替えが検討されています。
チームは、これまでの感謝を伝えるため、この日、体育館の中へと足を踏み入れました。

練習をし、NBL=ナショナルバスケットボールリーグ時代に、
チームとして記念すべき公式戦初勝利を挙げたのも、この総合体育館でした。
メインアリーナの天井材は落下し、周辺は陥没するなど被害が出ています。
体育館北側と東側の杭も破損が確認されたといいます。

しかし、そのフロアに限っては、小林慎太郎主将が
「今からでも練習できるんじゃないかという気がする」と語ったように、
立て替えが検討されていることが、にわかには信じられない印象を受けました。

そして、小林主将は次のように続けます。
「家みたいな場所だった。毎日、ここに来ていた。
この場所がなかったら(今の)僕たちは無い。
なければならないもの、必要なものだった」

益城総合体育館で、プロ選手としてのキャリアを積んだ、
あるいは、スタートさせた選手もいます。

キャリア2年目でヴォルターズに移籍しチーム発足メンバーとなった“流れを変える男”神原裕司選手は、
益城で初めて決めたシュートのことを思い出しながら、複雑な胸の内を明かしてくれました。
「本当に、この体育館で成長させてもらって…
いろいろな思いが詰まった体育館なので言葉にはしにくい…」

そして、“若き司令塔”古野拓巳選手は、
日本経済大学時代に、NBLのアーリーエントリー制度でヴォルターズに加わりました。
プロとしてのキャリアをスタートさせた場所について、次のように振り返りました。
「(この体育館で)いっぱい怒られたし、そのあと残ってシューティングもしたし、
今はヘッドコーチの保田さん(当時、アシスタントコーチ)と、毎回毎回、モップがけもした。
今後 プロ生活を続けていくなかで忘れられない場所になる」

選手たちは、ホワイトボードに体育館への思いを記し、外に出ると、
最後は、建物に向かって全員で頭を下げ、その場を後にしました。

まもなく、熊本地震から1年。
原点に立ち返ったヴォルターズは、
B1昇格を争うプレーオフ進出へ、残り10試合での巻き返しを誓います。

 
ヴォルターズの次の試合、
第26節は、4月7日(金)と8日(土)、ホーム・県立総合体育館で、
西地区首位の島根スサノオマジックとの対戦です。
現在、島根とは4ゲーム差。連勝して、その差を縮めてくれると信じましょう!

Let’s Go VOLTERS!!