祖父・父・兄・弟、そして最近では甥っ子まで…鉄道ファンの家系に生まれました、福居万里子です。
2023年7月15日。
熊本地震で被災した南阿蘇鉄道が、ついに全線再開しました。
お客さんを乗せた電車が中松駅から先の区間を走るのは、実に7年3か月ぶりのことです。
『 全線復旧は2023年の夏を予定しています 』と、初めてニュースでお伝えしたときには「 なんて時間がかかるんだろう・・・ 」と気が遠くなったのを今もはっきりと覚えています。
私は、南阿蘇鉄道に個人的な思い入れがありました。
阿蘇は家族旅行で何度も訪れたことのある思い出の場所で、鉄道ファンである父親のおかげで、南鉄の車両と撮影した家族写真が残っているからです。
( 立野駅にて。左端が私です )
6年前に熊本に来てRKKに入社してからは、雑草に覆われてしまった線路を目の当たりにして、ショックを受けました。
南阿蘇鉄道に自ら電話して取材交渉し、撮影に協力いただき、復旧工事の進捗を伝えたこともありました。
育児休業に入るにあたって大きな心残りのひとつが、『 南阿蘇鉄道 全線再開の日を取材できないこと 』でもあったのです。
全線再開の日、『 取材 』は できませんでしたが、『 お祝い 』することはできました。
夫と息子と3人で地元のみなさんの輪に入れてもらい、特別列車に向かって旗を振れたことは一生の思い出になりました。
雨に打たれ、息子が鷲掴みしたために ぐしゃぐしゃになった旗は思い出の証です。
そして 今月、職場に復帰し・・・
“ 南鉄ラブ ” な私に、これ以上ない嬉しい仕事が舞い込みました。
『 全線再開した南阿蘇鉄道の魅力を全国中継で伝えよ 』という指令です!
しかも、「 Nスタ ~すたすた中継~ 」と「 ゴゴスマ ~列島生報告!きょうはダレなんサー~ 」、立て続けに2度のチャンスに恵まれました。
私自身も、周りのスタッフも『 ブランクがあるのに大丈夫か…? 』という不安がなかったといえば嘘になりますが、これまで取材し伝えてきた知識と、体と心に染みついた思い出や南鉄愛が溢れ、ご覧いただいた方々からは「 イキイキしていたね! 」と言ってもらえました。
Nスタ中継では、車両の入線時間を調整してもらうなど南阿蘇鉄道に全面協力していただき、
ゴゴスマ中継では、長陽駅「久永屋」のみなさんのアツい想いと冷たいかき氷のおかげで楽しい中継になりました。
( 久しぶりに色鉛筆イラストの披露までさせていただきました )
7年3か月という月日は あまりに長く、
南阿蘇鉄道のみなさん、工事に携わった職人さんたち、地元の方々の苦労は想像がつきません。
こんなに愛されるローカル線が熊本にあることを、誇りに思います。
改めて、全線再開、本当に おめでとうございます!
~ おまけ ~
ゲツキン!「 福居の気になる劇場 」で紹介した、砂を使って物語をつむぐ、サンドアーティストのCaveさんを覚えていますか?
熊本地震発生から今までずっと、途切れることなく、南阿蘇鉄道を応援するチャリティー企画を遠く離れた東京で続け、義援金を送り、熊本を励まし続けてくださっています。
『 全線復旧した暁には、きっと南阿蘇で会いましょう 』というCaveさんとの約束も、全線再開の日に叶いました。
遠く離れた東京から、それも7年間ずっと、熊本に心を寄せ、行動し、たくさんの人を巻き込んで、いっしょに復興を喜んでくださるCaveさん。
どんな感謝の言葉でも足りませんし、私もこんな優しさと信念、行動力をもつ人でありたいと、尊敬せずにはいられません。
Caveさん、これからも、私たちと一緒に 南阿蘇鉄道 を見守ってください!