復興への思いと、ワイルドカード攻防戦

B2の熊本ヴォルターズは、3月11日(土)と12日(日)の第22節で、
福島ファイヤーボンズと対戦しました。

11日(土)は東日本大震災から6年。
その日に、未曾有の大災害を経験した福島のチームと、
熊本地震を経験したばかりの熊本のチームが対戦します。

会場の熊本県立総合体育館には、福島から応援に駆けつけた方々の姿もありました。
その中の一人の女性は、次のように話してくださいました。
「3月11日という私たちにとって特別な日に試合があるということで、
絶対に足を運ぼうと思った。
私たちも遠くから足を運んでくれる人たちに元気をもらっていたので、
私たちも現地に足を運んで皆さんを応援できると嬉しなと思って来ました。
この日にこの試合があることを嬉しく思う」

試合前には、福島への支援金を募ったり、
両チームの主将が復興への一助となることを宣言したりと、
福島と熊本、二つの被災地が、ともに復興への思いを込めて試合に臨みました。

11日(土)の試合で、ヴォルターズは、
神原裕司選手の3Pシュートを皮切りに、序盤から一気に波に乗ります。
ジョエル・ジェームス選手のインサイドを軸に得点しながら、
「Mr.ヴォルターズ」こと、キャプテンの小林慎太郎選手も3Pシュートを決め、会場を沸かせます。

ファイヤーボンズも、出遅れはしましたが、
随所で、持ち味の3Pシュートや、速攻からシュートを決め、
福島へ“チカラ”を届けます。

熊本、福島、それぞれの復興を願った試合は、
一度も主導権を譲ることがなかったヴォルターズが、85対59で勝ちました。

この日の試合後には、
熊本、福島、それぞれにメッセージを記したフラッグを選手が交換しました。
そして、熊本のファンから福島のファンへ「ゴーゴー!ボンズ!」と、
福島のファンから熊本のファンへ「レッツゴー!ヴォルターズ!」と、
エールの交換も行われました。

「復興に向けて、共に支え合おう」
その思いは、選手もファンも同じでした。

ヴォルターズは、12日(日)の試合も92対74で勝ち、
第22節は連勝で終えました。

これで、B2は交流戦が終わり、地区内のチームとの対戦に戻ります。

そして、ヴォルターズは、いきなり大一番を迎えました。

第23節は、3月17日(金)と18日(土)、
西地区2位 広島ドラゴンフライズとアウェイでの2連戦です。

B1昇格プレーオフには、東・中・西の各地区1のチームと、
その3チームを除いたチームのなかで最高勝率の1チームが「ワイルドカード」で進出します。
現在、B2の勝率上位3チームは、いずれも西地区の島根、広島、そしてヴォルターズが占めています。
つまり、現状では、西地区で2位以上になれば、プレーオフ進出となります。

ヴォルターズは通算34勝10敗。一方の広島は35勝9敗。
結果次第で順位が入れ替わる重要な直接対決です。

17日(金)の1試合目。
ともに譲れない試合で、
両者ともに厳しい守備をかいくぐって得点を挙げます。

第2クォーターで、ヴォルターズは、
守備から速攻につなげるシーンが増え、
前半終了時点で31対26と、わずかに抜け出します。

第3クォーター以降は、取っては取られ、一進一退の展開となります。

試合終了間際、ヴォルターズは57対56と1点差にまで詰め寄られますが、
その後、相手のファールで得たフリースローを、古野拓巳選手が2本とも決め、
59対56で逃げ切りました。

18日(土)の2試合目は、第3クォーター終了の時点で12点のリードでしたが、
第4クォーターで猛追を許し、同点とされると、延長戦の末、76対74で敗れました。

広島とは1勝1敗。
第23節を終えて、ヴォルターズの順位は、西地区3位のままで、
ワイルドカード争いでトップに立つことはできませんでした。

次節は、3月24日(金)午後7時~と25日(土)午後2時~。
ホーム・水俣市立総合体育館で、西地区最下位の鹿児島レブナイズと対戦します。

これまで以上に負けられない戦いが続きます。
Let’s Go VOLTERS!!