熊本市内の桜はそろそろ見納めとなりそうですが、
花びらがハラハラと舞う様子や、
地面に積もって絨毯のようになった様子も、
それはそれで美しいものです。
4月になって最初の試合。今月2日に行われた
2023明治安田生命J2第7節 ロアッソ熊本 vs 徳島ヴォルティス。
ロアッソは、第5節は長崎に、第6節は東京Ⅴに敗れ2連敗。
長崎戦は前半18分、東京Ⅴ戦は前半16分と、早い時間帯に失点してしまったこと、
2試合続けてシュートが5本に止まってしまったことなどの課題を修正し、
連敗を止めるべく臨んだ試合でした。
試合序盤からまずペースを握ったのは徳島でした。
サイドから崩し、幾度となくゴールに襲い掛かります。
ただ、チーム一丸でその時間帯を凌ぎ切ると、
少しずつロアッソが押し込み始めます。
前半を両チーム無得点のまま折り返すと、
迎えた後半9分、キャプテンの平川怜選手の強烈ミドルでロアッソが先制に成功。
ドリブルしながらシザーズ(またぎフェイント)で相手をズラして左足を一閃!
ゴール左隅に突き刺す、目の覚めるような見事なミドルシュートでした。
この時、相手GKは跳ぶことができていないのですが、
平川選手は「あのタイミングであのシュートを打てたのが良かった」と分析。
利き足ではない左でのキックでしたが「左足にも自信を持っている」し、
「ミートする意識」で放ったシュートだったことを教えてくれました。
ところが、この2分後に、徳島に同点ゴールを許して1対1の引き分け。
ロアッソは、連敗こそ止めたものの、3試合ぶりの勝利とはなりませんでした。
しかし、中継の解説だった片山奨典さんが「おもしろかったです」と語ったように、
両チームがセカンドボールに素早く反応し、球際でせめぎ合い、
攻守が目まぐるしく入れ替わる中で幾度となくチャンスが訪れたサッカーを
体現できたことは、前進であると捉えることができるのではないでしょうか。
劇的ゴールの平川選手は、キャプテンとして
「自分たちがやらなければいけないサッカーを表現できたというか
これをベースに戦っていければというものは見せられたんじゃないか。
多くのチャンスを作れたのはプラスだと思うが、相性など関係なく
どの相手にもチャンスを作っていかないといけない」と、収穫と課題を語りました。
今季のロアッソは、リーグ戦42試合を6分割し、
「7試合で勝点13」という目標を選手自らが設定して戦っています。
第7節までを終えて、2勝2分3敗の勝点8で
第1クール(はじめの7試合)は目標に届きませんでした。
それでも、平川選手が語るように、
今節で表現できたサッカーをベースにどんな相手にも躍動し続ければ、
次のクールで勝点を目標以上に積むことだってできるだろうし、
そうやって跳ね回る赤馬の姿を見たいと願っています。
サッカーの魅力をもっと伝えられるように、私自身も備えたいと思います。