豪雨から5年 ~ 八代市・坂本町での取材 ~

県南部を中心に甚大な被害がでた『 令和2年7月豪雨 』から5年が経ちました。

ことしの『 7月4日 』は、八代市 坂本町で過ごしました。

行き帰りの道中では、何台もの災害復旧車両や重機などとすれ違いました。

5年経ちましたが、復旧・復興は まだまだ です。

 

私には、坂本町に “ 会いたい人たち ” が いました。

 

大塚 松美さん と 前坂 通さん。

ふたりは、地元のみなさんでつくる店【 食処 さかもと 鮎やな 】のメンバーです。

球磨川でとれた鮎を使い、町の女性たちが腕をふるってつくる料理が人気でした。

 

店は豪雨で被災しましたが、道の駅のそばにつくられた復興商店街で復活。

私は2022年の夏に取材で訪れ、塩焼き に 唐揚げ、甘露煮・・・

 

それは もう お腹いっぱい に していただきました。

接客する みなさんの笑顔は輝いていて、

でも、テレビカメラを向けると 恥ずかしがって控えめになって・・・

そんな親しみやすい雰囲気に、一気にファンになりました。

 

しかし、店周辺の かさ上げ が必要になり、ことし2月に再び休業に。

この日 現場を訪れると、すでに更地になっていて、重機の音だけが響いていました。

 

店は、2年後の夏に再開することが決まっています。

しかし、その “ 2年 ” は、鮎やな の みなさんにとって決して短くありません。

店はシニア世代が中心となって立ち上げたもので、ほとんどが今では70歳以上です。

この2年の間に、体調面や暮らしなど・・・不安が多いといいます。

 

「 また みんなで、笑顔で会いたい 」

そう話す ふたりの顔には、いろんな感情が伺えました。

 

 

もうひとり 会いたい人がいました。

球磨川沿いで【 球磨川温泉 鶴之湯旅館 】を営む 土山 大典さん です。

旅館の佇まい や 窓から望む球磨川の景色は 本当に素晴らしく、ファンが多くいます。

 

鶴之湯旅館も、豪雨で被災し 一度は営業再開したのですが、

鮎やな と同じように かさ上げ が必要になり、休業中。

もともとは 豪雨から5年となる まさに この日に再開するはずでしたが、

昔ながらの構造を維持しながらの工事は予想以上に難しく、叶いませんでした。

ことしの秋には 必ず再開させたい! と意気込む土山さん。

再開を信じて すでに入っているという “ 宿泊予約 ” が背中を押します。

 

鮎やな の みなさん も、土山さん も、共通しているのは

『 待ってくれている人が いるから、頑張れる 』ということです。

私たちの取材クルーに対しても『 来てくれて うれしい 』と歓迎してくださいました。

 

その言葉・気持ちに報いるためにも、

私は これからも 坂本町をはじめとする さまざまな場所を取材し、伝え続けます。

 

そして――

“ 取材 ” ではなく、家族で旅する中でも 『 被災地 の “ 今 ”  』が見えてきました。

つぎの投稿で綴ります。