私ことまさいよしなりが今週お持ちしました音源はこちらです。
「すみれ色の涙/ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」
楽曲の構成に関する技法のひとつに「ピカルディ終止」というものが
あります。短調の楽曲の終結和音が同主調の主和音になる…、
つまり、短調の曲の最後の和音だけが長調になる、というものです。
詳細は割愛しますが、この和音のことを「ピカルディの三度」と呼びます。
もともとこれは中世における教会音楽、賛美歌などで使われていた
技法で、短調という少し暗い響きが人間世界を表現し、その最後に
長調の和音を置くことで「神の世界に救われる」ことを意味していると
言われています。この手法はバッハなどが活躍したバロック期までは
よく使われていましたが、やはり一貫して上記の宗教観を伴っています。
現代においても歌謡曲やポップスの編曲法としてこのピカルディ終止が
使われる機会がありますが、技巧的なこの手法はあざとく感じられる
こともあり、多用はされません。しかし、まさいはこの「ピカルディ終止」で
終わる曲が大好きなのです!とにかくゾクゾクするのです!(笑)
そんなわけで、今回はその「ピカルディ終止」の曲をお持ちした次第です。
寂しさや悲しさをしっとりとした曲調で表現した「すみれ色の涙」、
1981年に岩崎宏美のシングルとしてリリースされ、ランキングの
ベスト10入りを果たしたヒット曲ですが、オリジナルはグループサウンズの
草分け、ジャッキー吉川とブルー・コメッツが1968年に発表しています。
難しいことはわかりませんが、リアルタイムに聴いていました。何かのB面で、あのころはお金がないので、せっかく買ったEPレコードのB面まで、一生懸命に聴いておりました。ブル・コメの曲は「青い瞳」の英語盤が出た後、日本語盤が出てから聴き出しましたねえ。