私ことまさいよしなりが今週お持ちした音源はこちらです。
「すみれの花咲く頃/宝塚少女歌劇月組生徒」(1930年)
今日ご用意しましたのは、かの有名な宝塚歌劇に関する
楽曲です。この劇団を代表すると言ってもよい、有名な
曲目がいくつか思い浮かぶわけですが、その中のひとつに
「すみれの花咲く頃」という曲がありまして、これについては
非常に多くの方がきっとご存知のことでありましょう。
もともとこの曲は1928年にオーストリアで流行したもので、
「Wenn
der weisse Flieder wieder
bluht」(白いフリーダー
の花が再び咲く頃)というタイトルでした。フリーダーという
のはニワトコやライラックのことを指すドイツ語なのですが、
この曲がフランスに渡って「Quand
refleuriront les
lilas
blancs」(白いリラの咲く頃)というシャンソンになりました。
これを宝塚の演出家である白井鐵造氏が耳にしまして、
宝塚のレビューのための曲として採用したという訳です。
その際、当時の日本ではリラ(ライラック)と言ってもピンと
来ないということから、「すみれの花咲く頃」という日本語の
詞が付けられ、春を感じさせる作品となったのでした。
この曲は1930年に上演されたレビュー「パリゼット」の
主題歌として歌われ、以後劇団の定番曲となりました。
ということで今回はこの曲を、「パリゼット」上演の年に
吹き込まれたSP盤の貴重な音源でお聴き頂きました。