私ことまさいよしなりが今週お持ちしたのはこちらです。
恋よまわれ(Gira L’amore)/ジリオラ・チンクェッティ [1972年]
一つの曲の途中で「転調」する場合がありますね。この転調を
言葉だけで説明することは非常に難しいのですが、大まかに
言えば、「ドレミ」の音階を別の音階に置き換えることです。
音階が置き換わる(音の階段の段差が変わる)のですから、
そこで曲のムードも変わります。特に音楽理論などを学んだ
ことのない方でも、曲が転調すると「あっ、雰囲気が変わった」
と、きっと気付くはずです。今日はそういった、「途中で転調
する曲」をご用意したわけですが、実のところそういう曲は
とてもたくさん存在するのです。そこで今回は、その中でも
「たいへん分かりやすい転調をする曲」を選んでみました。
分かりやすい、気付きやすい転調には、大きく二種類あると
思われます。まずは、長調と短調が入れ替わる転調です。
長調は明るく、短調は暗い…、音楽の授業でもそのように
教わりましたね。このように、陽気なメロディーが急に悲しく
なったり、また元気に戻ったりする転調は分かりやすいですね。
もうひとつは、カラオケを歌う時のように、キーを上げ下げする
転調。曲の最後のサビのところで半音上がって盛り上げる…
というような転調は、みなさん聴き覚えがおありだと思います。
いま挙げた、「長調と短調が入れ替わる転調」と、「キーを
上げる転調」の両方が使われている曲を見付けましたので、
それをお持ちしました。かつて日本でももの凄い人気を誇った
イタリア人シンガー、カンツォーネ界のアイドル、ジリオラ・
チンクェッティの72年発表の作品「恋よまわれ」がそれです。