日別アーカイブ: 2013年5月1日

よそもん、ポケモン、くまモン

熊本県のPRキャラクター「くまモン」の周辺が喧(かまびす)しい。

というのも、4月28日付けの熊日新聞で「くまモンどう発音?在熊テレビ局違うモン」
という記事が掲載されたからだ。
記事にもあったが、現在県内テレビ局のアナウンスセクションでは、
RKKとTKUが抑揚のない「平板(へいばん)」、
それ以外の3局は「く」にアクセントがある「頭高(あたまだか)」で、各々統一している。
この問題は、そもそも九州新幹線が全線開通した2011年に、RKK局内で
「平板」でいこうと、確認した経緯がある。
その根拠は、
1)「くまモン」の語源は、「熊本の者」から来ていることから、「よそもん」「地のもん」などと同じ考え方。
 (例えばもし「佐賀の者」というキャラクターがあったとしたら、「さがモン」(平板)が自然だろう。)
2)そもそも、熊本は全国でも名高い(?)「平板アクセント地帯」というお国の事情。
3)「短縮形は、平板で発音する。」の原則に準ずる。
 (例えば、「キムタク」「ポケモン」「マツケン」等。)
ところが、実情は少し違う。テレビ、ラジオの番組などで耳にする一般の方の
発音を聞いていると、「頭高」が多数を占める印象が強い。
(個人的な印象だが、熊本県出身で比較的年配の方は「平板」。県外出身か、
県内出身でも比較的若い方は「頭高」という住み分けができているようだ。)
なぜか?
おそらく、「語源」や「熊本アクセント」「短縮形」といった根拠よりも、
「くまモン」という名称が、今や単なる「キャラクター」の固有名称として
確固たる地位を築いた、ということではないだろうか。
そうであれば、「頭高」で発音したいという気持ちも理解できる。
発音は、「平板」より「頭高」のほうが、聞いた感じが印象強いからだ。
元々造語であるからアクセント辞典に載っているはずもない。
どう発音しようとも、自由と言えば自由である。
しかし、こうも頻繁にニュースや話題に登場するとなると、局内でバラバラの発音は
具合が悪い。そこで、各局それぞれの考え方で統一することになった。
結論。
「本来の名前の由来から判断すれば=平板」。
「単なるキャラクターの固有名詞として捉えれば=頭高」。
と、その捉え方によって読み方も違う、という考え方が妥当
ではないかと思われる。
最後に、前出の熊日の記事によると、当の「くまモン」本人は去年一月、
ツイッターで、「熊本弁らしく抑揚なしで平べったくがいいかモン」
とつぶやいているそうだ。
「どうか、心変わりしないで欲しいモン!」