福居万里子です。
県南部を中心に甚大な被害がでた豪雨災害から2年が経ちました。
節目の日を前に私が訪れたのは、八代市坂本町です。
エメラルドグリーンの球磨川、何度見ても美しいです。
でも、すぐそばを通るJR肥薩線は あの日のまま時間が止まっています。
2年経っても、この状況です。
道の駅 坂本は仮復旧ですが営業を再開し、そばにある仮設商店街からは塩焼きにされた鮎の香りが漂います。
道の駅の駅長さんに、私は「 よかったですね 」と、安易に声をかけてしまったのですが、
「 でも、観光客の戻りは まだまだ全然なんですよ 」
「 それに、仮設住宅だって入居期限が近づいていて、生活再建もほど遠いですから 」と、現実をつきつけられる答えが返ってきました。
取材で訪れた日、住民のみなさんが七夕の飾りつけをしていました。
短冊につづられていたのは、鎮魂と復興への祈りです。
今回の取材では、被災家屋を使ってのプロジェクションマッピングをリポートしました。
被災した住宅が次々と解体されていった中、その廃材や家具などを集めて復旧している家屋です。
映し出されたのは、7月豪雨の爪痕、そして “ かつての坂本町 ” でした。
この家屋も2階部分まで水没しました。
恐ろしい経験をしてもなお この地を離れないのは、
いつの時代も、人々の暮らしが球磨川とともにあったからです。
映し出される映像を見ながら ぽつり ぽつり と呟かれる思い出を聞いて、
一言では あらわせない感情になりました。
7月豪雨の被害はあまりに大きく、広範囲に及んでいて、私自身いまだにすべての被害や現状を理解できていないと感じています。
自分の目で見て、その土地の人と会話し、そして伝えるということを、これからも続けていきたいです。
もうすぐ夏休み。
遊びに行くことも、立派な “ 復興支援 ” です。
『 坂本町で会いましょう 』!