2014年6月13日 我等音楽マサイ族

私ことまさいよしなりが今週お持ちしたのはこちらです。

歌いましょうひとりで/富岡多恵子[1976年]

音楽を本職としていない方がレコードやCDをリリース
するということが時々ありますね。今朝はそういった
音源の中から、富岡多恵子さんの作品をお持ちしました。
この方は1950年代に詩人としての活動を始め、のちに
小説家やエッセイストとしても活躍した文筆家です。
そして1976年、自作の詩の数々を12の楽曲にし、
それらを自ら歌い上げ、アルバムとしてリリースしました。
「物語のようにふるさとは遠い」というタイトルのこのLPは、
当時の一般的な「詩」や「歌謡曲」へのアンチテーゼとして
自らの「詩」を「歌謡曲」に仕立てて世に送り出すという、
実に挑戦的でアバンギャルドな内容となっています。
とはいえ、難解でとっつきにくいかと言えば、決して
そういうことはありません。独特の歌声に寄り添うように
とてもシンプルな、それでいて実のところ一筋縄では
いかない演奏との静かなる絡みが聴きどころです。
そしてこのアルバム全曲の作・編曲を担当したのが、
当時芸大院生であった坂本龍一氏であり、その点でも
「知る人ぞ知る」存在感のある一枚となっているのです。
今日はこのアルバムの中から、もうすぐ父の日という
ことで、「お父さん」にまつわるエピソードがテーマとして
織り込まれた「歌いましょうひとりで」をお送りしました。

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