私ことまさいよしなりが今週お持ちした音源はこちらです。
「COUNTDOWN AT 6/Perrey &
Kingsley」(1966年)
音楽制作の手法として「サンプリング」というものがあります。
既存の音楽の一部分、例えばボーカルや楽器演奏のワン
フレーズなどを抜き出して、それを素材として利用するという
方法なのですが、本来の意味でのサンプリングとはもっと
様々な音…人のしゃべり声、動物の鳴き声、自然界の音、
機械の動作音…等々、直接音楽とは関係のない音も含め、
それらを素材として楽曲に利用することを指していました。
それは機材がデジタル化した現在でこそ簡単なことですが、
アナログの時代にそれをやろうとするのは至難の業でした。
そんなわけで今朝は1966年に制作された、サンプリングを
用いた作品をお持ちしました。ジャン=ジャック・ペリーと
ガーション・キングスレイという二人のコラボによって発表
されたアルバム「The
In Sound From Way Out!
」です。
彼らは当時開発されたばかりのシンセサイザーを駆使し
電子音楽という新たな可能性を切り開いたのみならず、
サンプリングという手法の草分け的存在でもあるのです。
6mm(いわゆるオープンリールテープ)に録音した素材を
文字通り切ったり貼ったり、再生速度を変えてピッチを
操ったり、気の遠くなるような編集作業が行われました。
実験音楽の世界ではミュージック・コンクレートと呼ばれた
この手法を、シンセと同時に使用することで新たなポップス
を生み出した、そのアイデアと情熱、そして根性に脱帽です。
今回は上記アルバムの中から、赤ちゃんの声がとても
可愛らしくて印象的な「COUNTDOWN
AT 6」をオンエア。