1979年に設立し、長らく阿蘇地域の中核医療機関を担ってきた「阿蘇立野病院」。2016年4月に発生した熊本地震により甚大な被害を受けましたが、2017年4月から段階的に再開。8月以降からは入院や一般外来、11月に人口透析を再開しています。そしてようやく今年1月、1年8ヵ月ぶりに全館再開。同院のモットーでもある「ぬくもりと安心の医療」をお届けできるよう、スタッフが一丸となって業務に取り組んでいます。この番組では、阿蘇立野病院のさまざまな取り組みをご紹介します。
「第6回 入院病棟について」
長船なお美さん(リポーター):副師長、阿蘇立野病院では、熊本地震後一時中断していた入院患者さんの受け入れを昨年9月から再開されたそうですね。
浅尾まゆみさん(2階病棟 看護副師長):はい。震災が起こる前、当院の入院病棟は88床ありましたが、現在は、長期療養の「療養病床」が8床、在宅復帰に向けて効率的な医療やリハビリを行う「地域包括ケア病床」が24床、あわせて32床で運営しています。
長船なお美さん:なるほど。
浅尾まゆみさん(2階病棟 看護副師長):看護師は、正職員、非常勤、くまもと復興応援ナースのほか、元の病院に席を置いたままの「在籍出向」の看護師など14名おります。介護士は8名在籍しています。
県外から来ているスタッフの多くは、病院の看護師寮「エーデルワイス」から出勤しています。
長船なお美さん:大北さんはそのなかの一人ということで、福岡県出身でいらっしゃるそうですね。
なぜ、この阿蘇立野病院を選ばれたのでしょうか?
大北帆乃香さん(2階病棟 看護師):はい。大学時代に熊本地震が発生し、益城町で災害ボランティアを経験しました。その際、阿蘇立野病院の状況を知り、微力ながら力になれればと入職を決意したんです。
長船なお美さん:そうなんですね。いま、どんなところにやりがいを感じていらっしゃいますか。
大北帆乃香さん(2階病棟 看護師):そうですね。私は以前急性期病院に勤務していましたので、ケアのスピード感の違いは感じていますが、自分が行うケア一つひとつの大切さや責任の重さを感じながら、退院後の生活について考えて、看護ができていることにやりがいを感じています。
長船なお美さん:副師長、阿蘇立野病院の入院病棟の今後の課題はどのようなところでしょうか。
浅尾まゆみさん(2階病棟 看護副師長):熊本地震から2年3ヵ月が経ちましたが、現状のスタッフでは、まだまだ足りていないのが実情です。今後は震災前に近付けるように、看護師・介護士の数を増やして、患者さんや地域に寄り添える入院病棟を目指したいと思っています。
INFORMATION
ただ今、阿蘇立野病院ではスタッフを募集しています。
【募集職種】
●看護師
●准看護師
●介護士・看護補助
●作業療法士
●理学療法師
お問い合わせ/0967-68-0111(阿蘇立野病院)
看護副師長の浅尾まゆみさんとリポーターの長船なお美さん
患者さんや地域に寄り添える入院病棟を目指しています
正職員・非常勤のほか、くまもと復興応援ナース、
「在籍出向」の看護師も在籍
新人看護師の大北帆乃香さん(福岡県出身)
「自分が行うケア一つひとつの大切さや責任の重さを
感じています」と話します
病院の看護師寮「エーデルワイス」(阿蘇市赤水)
県外出身のスタッフはほとんどがこちらの寮から出勤
「療養病床」と「地域包括ケア病床」併せて32床で運営