◆ゲスト(#012) 川畑 智さん (理学療法士/(株)Re学代表)
今回のゲストは、認知症予防や認知症ケアに取り組む、理学療法士で(株)Re学代表の川畑智さんです。
世界では1年間に990万人が認知症になっていているという研究結果があるそうです。最近、物忘れしやすくなったと感じていても、実際に病院へ行くか行かないかは悩みどころ。そんな時、一つの指針となるのは自分の物忘れを、周りの人も気付いているか否か。「私、最近物忘れ多いのよ」と身近な人に話してみて、「そうよね」と答えられたときは、病院受診へのGOサインです。病院へ行きたがらない方も多いと思いますが、「どうもない」という太鼓判を押してもらう為にも病院へ行くのをおすすめします。
また、認知症の方が増えていくなか、社会全体での見守りが大事。認知症の方は物忘れしがちだという意識があるため、周りに迷惑かけないように、ちゃんと覚えておこう、と思い、ついつい何度も同じ質問をしてしまいます。忘れないように 何度も何度も聞く=覚えておこうという『意志の表れ』 と捉えてみませんか?認知症の方から「明日、病院だったかしら」と聞かれたら、「さっき言ったたい!!!」ではなく、「あ、そうよ、伝えてなかったかしら~」と少しとぼけて相手に寄り添うほうが認知症の方も何事もなく質問できるようになります。さらに握手をしながら話す、教えてあげると、言ったことが心に残りやすいそうです。手をつなぐ、頭を撫でるというスキンシップが物事を忘れない手助けになるんですね。
そして、なんと、今や35歳を過ぎると、認知症を発症するおそれがあるといわれているそうですよ。そこで認知症レベルがわかる【認知症チェック10項目】を教えていただきました!
【認知症チェック10項目】
①年齢が40歳以上である。
②40分以上の運動を週に3回ほどしていない。
③モノや人の名前が思い出しにくい。
④十分な睡眠(6、7時間~9時間)がとれていない。
⑤ストレスを感じると一人で悩み、人に相談しない。
⑥新しいことに挑戦する意欲が湧かない。
⑦外出する機会が少なく、閉じこもりがち。
⑧手紙、電話、メールを送らない。
⑨没頭するような趣味がない。あっても長く続かない。
⑩血圧,血糖値が高い。
みなさん、いかがでしょうか?
3つ以上当てはまった方は、認知症の予防に取り組み始めたほうがいいそうです。
一般社団法人日本パズル協会特別顧問でもいらっしゃる川畑さん。パズル、囲碁や将棋は認知症予防に効果的と言われています。そのほか3つの予防ポイントを教えていただきました。
ポイント① 睡眠をしっかりとる。
目標は7時間から9時間の睡眠。よく眠るコツは、寝る2時間前に入浴や温かい飲み物で体を温めること。人間は体温が落ちていくときに、眠くなると言われています。温もった後に体温が元に戻ろうとする力を利用して、眠りやするという原理です。そもそもなぜ眠るといいのでしょう?我々は、夜眠っている間に頭の中のゴミ(たんぱく)をお掃除しているんですって! 寝ている間に大脳が小さくなり、頭蓋骨と脳の間に髄液が流れます。その髄液が要らない頭の中のゴミを洗い流し、お掃除。このように眠る間のゴミ収集活動が大切なんです。
ポイント② 運動もしっかりしましょう。
チェック項目にもあった40分以上の運動。1分で100歩歩けると考えると、40分で4000歩。まずは1日に4000歩歩きましょうというのが、第一段階目の目標です。
ポイント③ 食事も大事。
特に、えごま油、あまに油、オリーブ油そしてヨーグルトが脳にはおすすめ。ヨーグルトは腸に対していいという印象がありますよね。腸の働きがいいと、頭の働きもよくなるそうです。頭が喜ぶためには、腸にも元気でいてもらわなくてはならないんですね。
最後に川畑さんが実践されている認知症予防の裏ワザを教えていただきました!
【川畑さんの裏ワザ】
まず、右耳の穴、左耳の穴に指を置きます。その指を頭に沿わせて、ぐーっと頭の上に動かし、頭のとっぺんで指と指が出会ったところ、そこが認知症予防のツボなんですって!!!やさ~しく押してみてください!
◆今日の音楽
ハナミズキ / 一青窈
Don’t Know Why / ノラ・ジョーンズ
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