◆ゲスト(#018) 比佐 水音さん (画家)
今回のゲストは、日本画作家の 比佐 水音さん です。
比佐さんは、第10回香梅アートアワードを受賞された日本画家です。香梅アートアワードとは、熊本出身、及び熊本在住で、芸術活動を続けている女性芸術家を支援しているもの。香梅アートアワードにおいて比佐さんの作品はこのように称されています。
日常の自然や生命の循環にモチーフを求め、遠い昔より幾重にも重なる記憶をていねいにめくるようにように生みだされた普遍的な情景を湛える作品は、多くの人々を魅了し続けています。 (株式会社お菓子の香梅ホームページより)
比佐さんは、家族からの影響や、中学生の頃に見た堅山南風展がキッカケとなり、第二高校の美術科で日本画を専攻。その後、京都の美大に進学されました。絵の題材になるような自然に溢れた熊本は比佐さんの美術に大きく影響しているそうです。比佐さんは、曖昧なこと、目に見えているようで見えていないものを表現するためにぼかしという日本画の伝統的な技法を用いて描かれます。
そもそも日本画とは、、、。
日本画という言葉は、明治時代に生まれた名称。明治時代、日本に西洋画が伝わり、その西洋画に対して日本画という言葉が生まれたそうです。日本画と西洋画にはいくつか違いがあります。西洋画は主にオイルでできた絵の具がチューブに入ったものを用います。一方、日本画は、粉や砂状の絵の具に膠(にかわ)と呼ばれるゼラチンコラーゲンのようなものを混ぜ、練ったり、水を足して調整するという作業を経て描きます。また、道具に関しては、西洋画はキャンバスに描く一方、日本画は布、紙、絹そして板などさまざまなものに描きます。
比佐さんの制作活動においてインスピレーションの元となるのは、子供のころや旅先で見た風景、自然、そして植物。それらの写生を通して、自分の中に蓄積していったものの中からコンセプトに合うものをまとめて、それらが作品になっていくそうです。普段の生活でどのようにしてみると作品につながるのでしょうか。日本画は本来、物の形の一番外側の輪郭線を常に追って描きます。生活の中で目に入る物の一番外側の線の輪郭の美しさに注目してみる。そうすると、たとえばガスタンク(!?)も美しいラインだァ、と思えてくるそうです! なるほど。そうやって生活してみると美しさで溢れた世界に見えてくるかもしれませんね!
比佐さん曰く、熊本の良さは裏道にあり。熊本は昔からある城下町で古い町並みが残っているところもあります。その良さを大切にしてもらいたいとお話しされていました。輪郭線に注目しながら裏道を散歩してみると小さな美しさに出会えるかもしれませんね♪
◆今日の音楽
夢のマルディ・グラ / Paul Simon
Vincent / Don McLean
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