◆ゲスト(#014) 中尾有沙さん(車いす陸上選手)
今回のゲストは、熊本在住の車いす陸上選手、中尾有沙さんです。
中尾さんは、もともとは三段跳びの選手でした。熊本県陸上選手権で10連覇!そして、日本陸上競技選手権で日本1に輝いたのは2015年6月。その半年後、2016年1月、トレーニング中の事故により車いす生活を余儀なくされました。
怪我をしても、心が折れたり、悔やんだりすることはなかったという中尾さん。アスリートとしての人生の中で、どんな結果も受け止めて、次になにをするかを考えるという思考回路が出来上がっていたそうです。
最初のリハビリの際、体が思うように動かず、まず台の上に座れなかったことにビックリ。これからはスポーツはせずに生きていくのかなァと思うこともあったそうです。しかし季節はだんだんと冬から春へ。それは毎年、シーズンオフからシーズンインにむけて緊張感を持って最後の仕上げを行う時期。その頃にちょうど病院でリハビリをしていると、やっぱりアスリートとして体を鍛えることをやっていきたいという気持ちが湧いてきたそうです。
なんといっても陸上競技場が大好き。なにかスポーツをするなら、陸上競技がいい! そう思って過ごしていたある日、日本の車いすマラソン第一人者、山本行文さん見舞いにいらして、「気持ちが落ち着いたら、車いす陸上やってみませんか」 とのヒトコト。「ぜひやりたいです。」と答えた中尾さんは、それから山本さんとのトレーニングを始めます。
週4日から6日、筋力トレーニングとレーサー(競技用車いす)に乗って行うトレーニングを中心に練習をされています。ダンベルを用いたトレーニングもされており、ウェイトトレーニングは、なんと20種類ものメニューを日々こなしていらっしゃるそうです!
また車いす陸上をするうえで大切なことのひとつとして特徴的なのは、競技用の車いすがきちんと自分のお尻に合っている、ということ。 中尾さんのレーサーは職人さんが工夫して作ったオリジナルの1台なんです。それだけではなく、体と車いすを結ぶ大切な道具があります。それは、グローブ。車いす陸上は、タイヤのリングを握ってこぐのではなく、実は、分厚いゴムのような手袋や固い樹脂を手にはめてにゴムを張り、リングを押してこぎます。そのときの手は、グーーーッの形で、指の関節と関節の間の部分と親指でタイヤのリングを押して前に進みます。だから、グローブの感覚や形も大切。車いす陸上特有の道具との付き合い方もお勉強中とのことです。
最近は、講演の依頼が増え、車いす陸上のことや障がい者の方のことを多くの人々に知ってもらう機会が増えつつある中尾さん。事故があって、いろんな試練があっても今が一番幸せと笑顔の中尾さん、とっても素敵ですよね♪
◆今日の音楽
東京VICTORY / サザンオールスターズ
Carry Me / Kygo feat. ジュリア・マイケルズ
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