月別アーカイブ: 2019年1月

#017 坂本義喜さん(元食肉解体作業員)≪2019年1月27日放送≫

ゲスト(#017) 坂本 義喜さん(元食肉解体作業員)

今回のゲストは、元食肉解体作業員の坂本義喜さんです。

食肉解体作業員とは牛や馬などの動物を食肉にするお仕事です。具体的にはまず、動物がトラックで運ばれてくると、菌がないか検査します。それから屠畜銃で額の急所を打ち、倒れたら、血を抜き、皮をはぎ、中の内臓を取り出し、電動のこで解体します。

坂本さんにとって、食肉解体作業員は、汚れるし、においがつくから世の中で一番したくなかった仕事でした。しかし、いつか辞めようと思っていたとき、一頭の牛と女の子に出会います。

ある日、牛が乗ったトラックから小学校低学年の女の子が降りてきました。するとその子は荷台に乗っていた牛に話しかけ始めたのです。「ごめんね、みーちゃん、お肉になってね。」と言いながら撫でる女の子。その姿を見て、坂本さんは家族のように育てられた牛に対して何も考えずに仕事してきたことを悔やみます。次の日、牛のみーちゃんのことが気になった坂本さんは、牛舎へ向かい、見に行くと、みーちゃんは手を舐めて、甘えてきます。そしてみーちゃんの目には涙が。いままでたくさんの動物たちが涙を流していたのかもしれない。けれど、動物たちの涙を見ようとしてこなかったと考え、これからは、牛たちが肉になる瞬間まで楽な気持ちで天国に行けるようにしようという使命感が芽生えたそうです。

今は、坂本さんご自身の食肉解体作業員としての経験を小学校や中学校でお話しされています。話を聞いた子どもたちの感想に驚かされることもあるそうです。たとえば、肉を食べることが罪だと感じていた子どもは、「話を聞き、食べることは、命を貰うこと。命を貰ったなら、残さず食べて、自分が元気に過ごすことが、人間にできるお礼の仕方と考えるようになった」と書いていました。ありがたく貰った命は次の命へとつながっていくんですね。坂本さんは、ご自身のお話をされることで、全国のこどもたちの表情を見るのが今後の夢だと語ります。

坂本さんの体験を絵本にした「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」ぜひ読んでみてくださいね

今日の音楽

M / つるの剛

ソングバード / フリートウッド・マック


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#016 明石祥子さん(フェアトレードシティくまもと推進委員会代表)≪2019年1月20日放送≫

ゲスト(#016) 明石 祥子さん (NGOフェアトレードくまもと推進委員会代表)

実は、熊本市は世界で1000番目、アジアでは初のフェアトレードシティ。熊本がフェアトレードシティになるために尽力されたのが、今回のゲスト、フェアトレードくまもと推進委員会代表 明石 祥子 さん です。

「フェアトレード」とは、直訳すると、対等な貿易。もともとは貧困問題の解決のために始まりました。貧困で苦しむ人たちが日常のなかで作ったものを正当な価格で買い続けることで、自立を支援するという取り組みです。そして、「フェアトレードシティ」とは、6つの基準をクリアし、フェアトレードを推進している都市に与えられた称号。つまり、熊本市民は、フェアトレードを応援するひとつのチームなんです!!!

【フェアトレードシティ 6つの基準】

基準1  推進組織の設立と支持層の拡大

基準2 運動の展開と市民の啓発

基準3 地域社会への浸透

基準4  地域活性化への貢献

基準5  地域の店(商業施設)によるフェアトレード産品の幅広い提供

基準6  自治体によるフェアトレードの支持と普及

(日本フェアトレード・フォーラムのウェブサイトより抜粋)

明石さんは、熊本地震や店舗兼自宅の全焼といった被害に遭われたなかで、多くの方に支えられ、フェアトレードの本当の意味をより一層、理解されたとお話しされました。家も仕事もなくなったとき、声をかけられる、手を差し伸べてもらえる、気にしてくれる誰かがいるということがどれほど助けになるか、やる気になるか、明日に希望を持てるか。フェアトレードのおかげで救われたひと達も同じ気持ちを味わうことになったのではないでしょうか。

日常の中で、フェアトレードを応援することは、案外難しいことではなさそうです。フェアトレードシティとして、気楽にフェアトレード産品を購入できる環境づくりがなされた熊本市では、気にかけてみるとさまざまなところでフェアトレード産品が販売されています。毎朝飲むコーヒーや、おやつのチョコレートにフェアトレード産品を選ぶことでフェアトレードを応援していきましょう!

今日の音楽

お元気ですか? / 川岸宏吉 

太陽の下 / レミオロメン


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#015 内野貴久子さん(うちの産婦人科院長)≪2019年01月13日放送≫

ゲスト(#015) 内野 貴久子さん(うちの産婦人科院長)

今回のゲストは、うちの産婦人科院長の 内野 貴久子さん です!

熊本市南区にあるうちの産婦人科は、病院としては珍しく、ランチもできるカフェが隣接しています。産婦人科は敷居が高いイメージがあると思いますが、どんな年代の方にも来てもらいやすくするためにカフェを作ることになったそうです。

妊娠、更年期、閉経など年齢ごとに様々な症状がある女性の人生をサポートできる産婦人科に魅力を感じ、産婦人科医になることを決められた内野先生。多くの女性が自分の体について知らずにいること、もっともっと知ってほしいとおっしゃっていました。

たとえば、仕方なく毎月付き合わないといけないと思っている生理痛について。病気じゃないからと病院に行かない方も多いそうです。しかし今の時代、男性と一緒に対等に働いてる女性も多いなか、生理痛に苦しめられ、我慢していると仕事に集中できなくなったり、身体を壊してしまいます。昔は痛み止めしかなかったけれど、今はピルや漢方などで生理痛を和らげることができます。お話しするだけでも産婦人科へ行ってもいいのか、心配される方も多いかと、思いますが、いいんです! 楽に生きる方法がたくさんあるのに、それを自分が知らないだけで、我慢しながら生きるのは、もったいなくないですか?

【年代別 知っていてほしい女性の体】

<10代>  性病と妊娠 

妊娠について無防備な子が多く、性交渉をして望まない妊娠をする子もいます。妊娠しやすい時期があることや、避妊についてきちんと知っておいてほしい!

<20、30代> 生理痛と子宮頸がん

毎月の生理痛に苦しむ女性が多いけれど、今は生理痛を和らげる方法があります!ぜひ産婦人科へ相談して、楽になってほしい! そして、子宮頸がんは性交渉の経験がある女性は遺伝の関係なく、誰でもなりうるがんです。子宮って命には関わらないけれど、とってしまうと、妊娠できなくなります。若いうちからちゃんと検診を受けて、ガンになる前に異常を早く見つけることができれば、対処ができ、その後、妊娠することができます。! 毎年、検診を受けるようにこころがけましょう!

<40、50代> 更年期

閉経から閉経後までいろんな症状に苦しむ方が多く、病気ではないからといって受診されない方が多い更年期。でも治療法があります。代表的な症状として、顔だけから汗がでるホットフラッシュがあります。そしてそのホットフラッシュも対処法があります。ほかには、イライラがとまらないという症状もあります。更年期が原因となっているイライラも治す方法があるんですよ。

<60代以降> 婦人科のがん

更年期症状は落ち着いてきますが、子宮頚がん、子宮体がん、卵巣がんなど婦人科の臓器のがんが増えてくる年代。子宮体や卵巣を見るためにもエコーを使った検査を推奨します。

何歳まで妊娠ってできますか?

高齢出産のニュースの影響で、男女ともに何歳になっても妊娠できると思っている人が多いけれど、実は42歳、43歳くらいが限界。しばらく夫婦2人での生活を楽しもうと思って、避妊を続けてきて、42歳くらいで子供がほしいと産婦人科に相談に来られても、結局妊娠できないということもあるそうです。確かな情報を得て、「知る」ということが自分を守ること、パートナーを守ること、将来を守ることにもつながるんですね。

女性として生まれたからには生まれてから死ぬまで自分の体のことをしっかり知って、向き合っていくことが大切です。子どものこと、旦那さんのこと、両親のことを優先して、自分のことをあとまわしにするのではなく、きちんとメンテナンスすることが大切。 自分を大切にすることは、自分の大切な人を大切にすることにもつながっていくんですね。あなたやあなたのまわりの女性、友だち、彼女、娘、奥さん、お母さんは、最近、産婦人科へ行かれたでしょうか。

今日の音楽

U.S.A. / DA PUMP

憶い出の町 / James Taylor & J.D.Souther

 


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#014 中尾有沙さん(車いす陸上選手)≪2019年01月06日放送≫

ゲスト(#014) 中尾有沙さん(車いす陸上選手)

今回のゲストは、熊本在住の車いす陸上選手、中尾有沙さんです。

 

中尾さんは、もともとは三段跳びの選手でした。熊本県陸上選手権で10連覇!そして、日本陸上競技選手権で日本1に輝いたのは2015年6月。その半年後、2016年1月、トレーニング中の事故により車いす生活を余儀なくされました。

怪我をしても、心が折れたり、悔やんだりすることはなかったという中尾さん。アスリートとしての人生の中で、どんな結果も受け止めて、次になにをするかを考えるという思考回路が出来上がっていたそうです。

最初のリハビリの際、体が思うように動かず、まず台の上に座れなかったことにビックリ。これからはスポーツはせずに生きていくのかなァと思うこともあったそうです。しかし季節はだんだんと冬から春へ。それは毎年、シーズンオフからシーズンインにむけて緊張感を持って最後の仕上げを行う時期。その頃にちょうど病院でリハビリをしていると、やっぱりアスリートとして体を鍛えることをやっていきたいという気持ちが湧いてきたそうです。

なんといっても陸上競技場が大好き。なにかスポーツをするなら、陸上競技がいい! そう思って過ごしていたある日、日本の車いすマラソン第一人者、山本行文さん見舞いにいらして、「気持ちが落ち着いたら、車いす陸上やってみませんか」 とのヒトコト。「ぜひやりたいです。」と答えた中尾さんは、それから山本さんとのトレーニングを始めます。

週4日から6日、筋力トレーニングとレーサー(競技用車いす)に乗って行うトレーニングを中心に練習をされています。ダンベルを用いたトレーニングもされており、ウェイトトレーニングは、なんと20種類ものメニューを日々こなしていらっしゃるそうです!

また車いす陸上をするうえで大切なことのひとつとして特徴的なのは、競技用の車いすがきちんと自分のお尻に合っている、ということ。 中尾さんのレーサーは職人さんが工夫して作ったオリジナルの1台なんです。それだけではなく、体と車いすを結ぶ大切な道具があります。それは、グローブ。車いす陸上は、タイヤのリングを握ってこぐのではなく、実は、分厚いゴムのような手袋や固い樹脂を手にはめてにゴムを張り、リングを押してこぎます。そのときの手は、グーーーッの形で、指の関節と関節の間の部分と親指でタイヤのリングを押して前に進みます。だから、グローブの感覚や形も大切。車いす陸上特有の道具との付き合い方もお勉強中とのことです。

最近は、講演の依頼が増え、車いす陸上のことや障がい者の方のことを多くの人々に知ってもらう機会が増えつつある中尾さん。事故があって、いろんな試練があっても今が一番幸せと笑顔の中尾さん、とっても素敵ですよね♪

今日の音楽

東京VICTORY / サザンオールスターズ

Carry Me / Kygo feat. ジュリア・マイケルズ


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